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外国人材受け入れの影響と課題

熟練外国人、現場の中核に 「特定技能2号」拡大へ調整 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

近年の急速な人手不足の進行もあり、政府は技能実習の抜本改善や特定技能拡大等、外国人材のさらなる積極的な受け入れへと舵を切りつつあります。

こうした中、先週公表された将来人口推計の通り、外国人が50年累計で664万人増えることになれば、年平均+0.13%の潜在GDPの押し上げ要因になると試算されます。GDPギャップがプラスであることを前提とすれば、外国人労働者の受け入れが経済成長に貢献しますが、GDPギャップがマイナスの状況であれば、デフレギャップを拡大させてしまう可能性があることには注意が必要でしょう。

そして、GDPギャップがプラスの状況で外国人労働者を受け入れれば、潜在GDP押し上げに伴う現実のGDP押し上げを通じて財政にも貢献しますが、外国人労働者と日本人労働者の社会福祉制度に対する依存度が変われば、財政に及ぼす影響も変わってくるでしょう。

事実、過去のデータに基づけば、内閣府のGDPギャップが▲1%悪化すると、賃金が▲0.51%低下する関係にあります。外国人労働者の流入が多くなるほど潜在GDPも押し上げられることになるが、潜在GDPの拡大を実質GDPの拡大が上回る状況になければ、GDPギャップの拡大を通じて平均賃金の押し下げ圧力になる可能性があることにも注意が必要でしょう。

つまり、外国人労働者の受け入れは、GDPギャップがプラスの状況にあれば、日本が直面する人口減少のみならず、経済成長率の停滞や財政健全化といった問題に貢献しうるといえるでしょう。

構造的に人手不足が生じている地域や産業にとっては、外国人労働者の受け入れが死活問題となる側面もありますので、外国人労働者を地方や産業の人手不足を補うために一定の基準のもとで積極的に受け入れることは重要です。韓国では定住支援センターが全国に100か所以上存在していることからすれば、日本もサポート体制を拡充していくべきでしょう。

高度人材の受け入れについては、日本の言語や文化になじむ期間がある留学生の受け入れ拡充も有望でしょう。しかし、そのためには日本もより一層柔軟な採用時期やプロセスを支える公的な制度を官民が協力して推進する必要があります。外国人材の東京一極集中を防ぎ、地方創生に生かすためには、地方に特区を設けて積極的に外国人材を集めること等も検討に値するでしょう。

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