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武器も爆弾も使わないこれからの戦争のカタチ

少子化という出生増については、すでに国はあきらめているという話は前にも書いた。そして、その見解は間違っていない。今更政府が対策したところで出生数が絶対に増えない理由は「少母化」にあることは何度も書いている通りだ。産む母体のの女性の絶対人口が減っているのだから当たり前の話である。

しかし、政治家はそれを十分知ってるくせに絶対に公言しない。公言しないだけならまだマシだが、政局や選挙対策のためだけに効果のないバラマキで、少子化対策に公金を湯水のように使い続けていることは問題である。

バラマいた分は何年か後にきっちり必ず増税で回収するわけで意味はないのである。ここ20年はずっとそれをやり続けてきた結果が今の国民負担率の増加であることは言うまでもない。

今回は、この何度も言っている少母化の話ではなく、移民の話をしたいと思う、

もう政府は(官僚も)出生の増加ではなく、人口減少の歯止めは外国人の移民によって補うということ明確に打ち出した。といっても別に首相がそんなこを大っぴらに言うわけもないが、社人研の2023年公表の将来人口推計を見れば、そうなっている。

社人研の推計では、約50年後の2070年の日本の人口を約8700万人と推計しているが、これには外国人900万人が含まれている。つまり、2070年には、人口の10%が外国人になるということだ。

ちなみに、今現在どれくらいの外国人がいるかというと、出入国在留管理庁によれば2022年の年末時点で307万人。総人口比2.5%である。 

推移を見れば明らかだが、100万人を突破したのが1990年で、32年で3倍増になったことになる。

諸外国がどうかといえば、OECDに限れば以下の通りである(2021年データ 単位:人 外国人居住者は当該国に居住している外国籍者であり、累積の移民人口ではない)。

1 米国  21,169,137
2 ドイツ  11,432,460
3 イギリス  6,013,000
4 スペイン  5,368,271
5 フランス  5,215,225
6 イタリア  5,171,894
7 カナダ  3,185,250
8 日本  2,887,116
9 スイス  2,151,854
10 韓国  1,889,454

日本には外国人が少ないと漠然とイメージされている方も多いかもしれないが、決して少なくはないのだ。

政府が外国人受け入れにシフトしていっているのは労働力の確保である。

決して、外国人や移民を受け入れるなという話をしたいのではない。人手不足の折必要な部分も否定しない。しかし、適正規模というものもある。今の2.5%ならまだしもこれが5%を超えるとなるといろいろ問題があるだろう。

そもそも正しい手続きに基いていない不法残留者というのもジワジワ増えている。

https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/13_00032.html

以前、ニュースでも報じられたが、留学目的で来日し、そのまま不法残留者として国内で行方知らずになっているケースもある。というより、最初の目的が不法残留のための留学なのである。

その他、観光ビザでやってきて、そのまま不法に残留する者もいる。

外国人を受け入れに舵を切るということは、こういうことも含めて堰を切ってしまうことになるのは間違いない。

移民や不法入国者によって問題が発生している事例は、今の欧米諸国に無数にある。

ドイツ、イギリス、フランス、スペイン、イタリアなど欧州の移民大国がほぼすべて移民に対するNOを言い出している。イタリアでの2022年の総選挙で勝利し首相となったメローニの公約は「移民の入国拒否」である。


移民大国というかそもそも移民の国であったアメリカですら、バイデン大統領があんなにトランプ批判の時いっていた国境の壁の建設を再開している。結局こうなる。

ニューヨークですらこんなことに。
市には昨年春以降、中南米などから亡命目的でメキシコ国境を越えて入国した不法移民らが殺到。その数は既に13万人を超える。
「彼らは市民ですら住めないマンハッタンの一等地に暮らす。物価も上がっているのに、こんな状態はおかしい」

繰り返すが、移民を一人も入れるなという話ではない。限度があるだろうということだ。その限度はせいぜい5-6%程度までだと思われ、欧州のような10%超えは危険である。10%を超えれば欧州やアメリカで起こっていることが確実に日本でも起きるだろう。

ちなみに、2020年国勢調査ベースで見た場合に、日本おいて東京23区、大阪市はかろうじてまだ5%未満だが、すでに5%を超えている市はある。群馬県の伊勢崎市や埼玉県の川口市など。

そういった意味でもこの動画はなかなか衝撃的だった


人類の戦争は長らく領土の奪い合いだった。目的は領土を占有することである。古くは食料としての農地の確保のため、20世紀は領土内のエネルギー確保のため。しかし、これからの戦争は人口の占有によって達成されていく。銃や爆弾などを使わずとも、人口を増やして、外国人としての仲間内コミュニティを築いていってしまえば、やがてそこに日本人はいなくなる。それは戦争による占領と実は変わらないことになる。

それでも2070年に外国人人口900万人なんてことを本当に目指すのだろうか?

その頃、もう自分は生きていないだろうが、今の子どもたちやこれから生まれてくる子どもたちにとっては他人事ではない。非常に危ういと感じている。

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荒川和久/独身研究家・コラムニスト
長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。