見逃せない2大論点
講談社「現代ビジネス」さんへの寄稿となります。ヘッドラインがややセンセーショナルではありますが、中身は至って落ち着いたものであり、①イールドカーブのフラット化、②インフレ期待の頭打ちに焦点をあてて、現状を整理してみたものです。どちらもこれからの米経済をポジティブに期待する向きにとっては非常に都合の悪い現象であり、事実、Fed高官もこれを気にしている節はあります。
この上で実体経済における「中立金利との距離感」がケアされている段階であり、例えば18日に新NY連銀総裁に着任したウィリアムズのモデル(LWモデル)などでは現状0.5%程度(政策金利にして2.5%程度)であることが指摘されています。つまり、このままいけば、2度の利上げを経て年末には実質FF金利がプラス圏に入り、引き締めが示唆されることになります。①や②の状況はますます強まることになりましょう。
こうした状況下、ドル/円相場のリスクをどちらに賭けるべきか?少なくともダウンサイドではないのか?そのような趣旨となります。実際一部市場では利上げ後を見込んでB/S縮小は続くけれども利下げも有り得べしという雰囲気も出ており、円安予想を出すには勇気が要る局面に差し掛かっているように感じます。