中国No1動画配信者の李子柒(liziqi)が復活。3年間の沈黙の理由とこれからの活動とは
日本と世界の李子柒ファンの皆さま。3年以上活動を停止していた李子柒がついに新たな動画を配信しましたね!
↑若干動画の内容やテイストが変わったなと個人的には思いましたが、全体的な世界観はそのまま、最後まで目の離せないすばらしい作品でした。
中国No1のVlogerの李子柒(liziqi)は、2021年7月に動画を投稿したのを最後に更新を停止していました。それが今回、突然3本の動画更新で中国のネット民の盛り上がりはすごいことに。実際、恐るべき数字で、中国のSNSや動画プラットフォームでの合計はわずか一日で5億回再生です!
日本や世界中の視聴者の方々は、なぜ更新がストップしていたのかあまり詳しく知らなかったかと思いますが、中国のネット民たちはほとんどが理由を理解していました。MCN(マルチチャネルネットワーク。ビジネスとマネージメントを行う事務所のような存在)とのトラブルです。所有する権利の関係で揉めていたのが活動停止のきっかけになったとされています。
詳しく知りたい方は、過去に解説した下記のnoteをご覧ください↓
彼女に限らず、中国のMCN会社とインフルエンサーの間にはトラブルがよくあります。その大きな理由は、中国のプラットホームではYoutubeのような広告モデル中心のところが少なく、その代わりの独特なビジネスモデルと深く関わりがあります。
李子柒は2022年には和解したとされていましたが、李子柒の人気や影響力で牽引していたのに、それを使って儲けるビジネス側や資本側とトラブルになり不公平だ、可哀想だと言った世論が一般的でした。
今回の、動画の後半にグランドピアノを弾きながら歌うシーンがあります。普段の李子柒の動画、田舎暮らしや中国の伝統的カルチャーを発信する内容とは異なるまさかの展開。
このシーンに震えました。国民的歌手、王菲(wanfei)の曲「如愿」を歌いながら、今までの活動のハイライトシーンや、活動を停止していた期間での映像などが映し出され、編集の観点からも「私こそが李子柒なんだ!」という自身の想いを伝えたかったのだろうなと感じました(個人の感想です)。みなさんもぜひ実際に動画を見て感想をコメントいただきたいです。
日本よりもはるかに競争が激しく、流行りの回転が速い中国のネット社会で3年間一切姿を見せなかったのに、それでも見捨てられなかったインフルエンサーは本当に珍しいです。
海外ファンが中心のYoutubeでもたくさん視聴されてましたが、中国国内のプラットフォームでも2日間で3本の動画が投稿され、Weiboでは「爆」付きのトレンド一位、douyin(中国版のTiktok)では1日でフォロワー数が350万人増えました。
■今後の活動はどうなっていくのか?
今回の復帰作での3つの動画は李子柒らしいスタイルではありますが、いつもと異なる点もあります。それは無形文化財に関連していること。
中国文化の輸出、伝統文化の優れたクリエイターとして、李子柒は「“李子柒非遗工作站(李子柒の無形文化財ワークステーション)」の成立を公式発表しました。
11月13日の夜、2024年の無形文化財のイベントが成都で開催され、式典には李子柒が登場。「過去3年間は非常に充実しており、とても楽しかったです。多くの志を同じくする人に出会うことができました。伝統文化の伝播を支援できることを試みています」とコメント。他にも、記者からのインタビューに対して、伝統文化の発展への活動を行うことを回答しています。
今後の動画では、今まで以上に普段目にしないような中国の伝統文化を取り扱った内容が増えてくるのかもしれません。広い中国では同じ国の中でも異なったカルチャーや知られていないものもたくさんあって、それらがコンテンツとして突如人気になるケースは多々あります。先日は日本の報道でも取り上げられていました。
ちなみに、李子柒へのインタビューはYoutubeでも公開されているので、ファンの人はぜひ見てみてください。「姿を消した3年間は何をしていたか」の記者からの最初の質問に「寝ていました。数年前の夜分遅くまでの仕事で欠いた眠り全部を戻しました」の冗談を含んだ回答が微笑ましかったですね。
また、「おばあさんと過ごす時間ができたことが良かった。私がビデオを撮影・編集する間、実際には彼女が私を世話してくれていた。ここ数年で時間ができたことで彼女を連れて外に出たり、外の世界を見たりして、美味しいものを食べたりで、悪くなかった」と答えていました。おばぁちゃんも元気そうで良かった。
余談ではありますが、中国ネットでは最近の出来事をまとめた、こんなネタ流行っています↓
訳すと
これ全部、2019年の年末にタイムスリップをしたような感覚で笑っちゃいました。ただ、パンデミックだけは勘弁してほしいです笑
(参考資料)