見出し画像

人と人の「つながり」が、「場」に価値を生む

2月4日、味の手帖編集顧問であり、「タベアルキスト」のマッキー牧元さんの古希(70歳)のお誕生日会に招待していただいた。そこで目にした光景は、はるかに想像を超えていた。改めて気付かされることもあり、今回はそれらについて綴りたい。

日本中の予約の取れない名店が集う、圧巻の宴

マッキーさんは、もともとビクター音楽産業(現:ビクターエンタテインメント)の広告・宣伝をご担当され、多くのアーティストをスターダムへ押し上げた人物だ。

現在はタベアルキストとして食の世界に身を置き、業界の方から尊敬されている。そんなマッキーさんとご縁をいただき、数年前からOSIROで「タベアルキスト倶楽部プレミアム」というコミュニティを運営されている。

この度古希を祝う会に招待されたことは光栄であり、胸が高鳴った。期待に身を任せ、会場へと向かった。
しかし、当日目の前に広がった光景は想像のはるか上をいっていた。音楽業界の方々もいらしていたが、日本中の「予約の取れない名店」の料理人たちが集結していたのだ。

会場の虎ノ門横丁では、約100人のシェフがカウンターに立ち、各店の一皿が提供され、驚くほどリーズナブルな値段で振舞われる。800名以上の参加者が名店の味を堪能しながら、マッキーさんの古希を祝った。まるで夢のようだ。こんな宴が、現実にあるのか?

人との「つながり」が体験を豊かにする

当日は知り合いがいるのか分からず、最初は一人で堪能していた。もう、どれを食べても絶品!。ただこの感動を誰かと分かち合えないのがもったいなくも感じた。
(これだけの素晴らしい食事を一人で味わうだけでは楽しみきれない...)

そんなとき、「タベアルキスト倶楽部プレミアム」のメンバーさんたちがいるテーブルに遭遇し、温かく迎え入れてくれた。

そこからは、楽しい時間となった。「あのお店のこのメニューが美味しかった」とか、「これは絶品だった!」とみんなと語り合い、感動をシェアすることで、体験の深みが変わるのを実感した。

これは食事に限らず、読書、映画、音楽、舞台、スポーツにも共通すると思う。どれほど素晴らしいコンテンツであっても、共感する仲間がいなければ、その魅力は楽しみきれない。体験を豊かにするには、共感できる「つながり」が必要なのだと。

「居場所」になってこそ、コミュニティは価値を持つ

一人で楽しむ時間も大切だが、もしずっと孤独な楽しみ方を続けていたら、コンテンツ自体の価値を最大限に見出せなくなるのではないか。

例えば、コロナ禍で「孤食」が進み、低栄養が問題視された。一人の食事は味気がなくなり、次第におざなりになってしまう。家族や友人と食卓を囲む機会が減ったままの人も多い。

誰かと会話をしながら囲む食卓は、単なる「食事の場」ではなく、「居場所」そのものだ。だからこそ、食事はより楽しく、価値あるものになる。

コミュニティが持つ価値も同じだ。オーナーが提供するコンテンツを楽しむだけなく、価値観に共感した人々とつながることで、コミュニティはたんなる「場」から、その場に集う人々につながりが生まれ、「居場所」へと昇華する。単に人が集うだけでは不十分で、人と人がつながり合って初めて、真の価値が生まれるのだ。

コミュニティが持つオーナーの皆さんには、居場所としての価値をメンバーに自信をもって伝えてほしいと願うし、そのためにも、われわれオシロ社がコミュニティの真価をこれからも伝え続けていきたい。

いいなと思ったら応援しよう!