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一介のフリーランスにとって、コロナ禍はなんだったのか振り返ってみる

コロナ直前、2019年の自分の写真を見て、若っ!!!と衝撃を受けました。マスク生活と外出不精により表情筋の活動が明らかに落ちたこの顔面。
コロナ禍の3年間を思い返すとまじでWaste of timeだったな(ギリギリあった若さと体力の残りカスを無駄にした)と感じるのですが、
とはいえ、逆にコロナ禍の前の世界のまま生きていたかったか?と問われると、素直に「うん」とは言えない自分がいる。

オンライン○○の普及は超ありがたかった

仕事の顔合わせもキックオフも、何もかも「まずは直接お会いしましょう」でやってると本当にキリがないのがコロナ前のワークスタイルの悩みでした(フリーランスは時給制じゃないから特に無駄に感じる)。
特に女性は、外出のたびにメイクをしたりする準備も入ってくるので、それだけでも時間ロスがあります。


その点において、「まずは直接お会いしてご挨拶を」が死語と化した点においてはめちゃくちゃ楽になったのが正直なところです。
オンラインベースである程度案件が進んで、ここぞというタイミングでようやく「リアルでは初めまして」というのが当たり前になり(これはこれで感動があります、オフ会的な……)(意外と身長高かったんですね!言われたり)
実は案件対比の労働工数のコストパフォーマンスとしては明らかに良くなったフリーランスは、私だけではないのでしょうか。プロセスの無駄がなくなればなくなるぶんだけ無理なく対応できる案件数が増えるので、そのぶん売上アップに繋がることも想像に難くないです。

働く場所の自由化

働く場所がオンライン化に伴い自由になったことで、「東京一択」から様々な場所でのワーケーションや移住ができるようになったのもよいことでした。

ちなみに自分に関して言うと、様々な土地へのワーケーション、2拠点生活を経て、一周回って東京が大好きになった自分がいます。
コロナの前は「東京以外で仕事できないしなあ」と渋々居住している感じだったのですが、リモートワークの時代に色々な土地での暮らしを経て東京に戻り、
「しかたなく東京にいる」わけではなく「積極的に東京という街を選び取っている、テクノロジーと情報があふれて、スクラップアンドビルドで日々再構築されまくって、優秀で個性的な人々にたくさん出会えるこの街が好き」「他人に無関心で、ほっといてもらえるこの街は居心地が良い!」ということを改めて実感でき、
渋谷や六本木を歩いている時に「お店も多いし文化的なものへのタッチポイントも多いし幸せだわ〜」と感じるなど、日々の幸福度が体感的に上がりました。地方移住ブームですが、こういう逆行するような人もいます。

自分だけかと思いきや、東京への転入超過の報道も、、実は同じように一周回って東京の利便性を再発見した人も多かったのでしょうか。

いまだかつてない助成金・支援金フィーバーボーナスタイム

コロナ禍のスタート、ドイツなどの諸外国に対して日本政府の給付金対応の遅さに大ブーイングが起こっていましたが、
フタを開けてみると「いやいや、日本国政府よくこんなに手厚く零細事業者を支援してくれもんだな、ビビるわ」というのが個人事業主としての率直な感想です。

持続化給付金!文化庁の支援金!民間企業の各種芸術家支援金!東京都家賃支援給付金!事業復活支援金!!シーズンごとに様々な支援金が豊富に用意され、もう獲物を狙うタカのように狙えるものはすべて狙いにいきました。

どれだけ体調が悪くても助成金だけは刈り取りに行く女です


いやいや平時、こんな「申請するだけでお金がもらえる」という大フィーバータイム、なかなかないぞ……!?特にひとり法人を複数社経営している方なんかは相当恵まれた支援環境だったのではないかと思われます。
(しかしこの支援金大放出のツケが今後どこにしわ寄せが行くのかと思うと少々憂鬱)

「建前」「常識」の崩壊により、自分の好き嫌いに素直でいられるようになった

常に「感染リスク」という係数が入ってくることにより、「ぶっちゃけそれ感染リスク背負っても/負わせてもやりたいことなの?」という精査と見直しが否が応でも入ることになるので、
個人的には「お付き合いでなにかやる」ことが激減しました。やりたいからやるし、会いたいから会う、というシンプルさ!


自分にとって大事な人と、本当にやりたいことをやるという人間として非常に本質的なあり方への揺り戻しが入ったのは、とても良いことだったのではないかと思います。
「常識だから」「お付き合いだから」「社会人として」みたいな枕詞のつくアクティビティに時間を使うことがかなり激減しました。

とはいえ海外に出られない(作家のキャリアとしては致命的)、旅に出ることができない、などもちろんストレスや制約の多い生活ではあったのは間違いないので、こういった緩和が徐々にゆるやかになくなっていくことを願いつつ、
コロナ前の世界がそのまま揺り戻しが起きず連続的に続いている未来は、素直に手放しで喜べない自分にも気付いたので、そういった気付きをしたためてみました。
皆様にとって、この3年間はどのような期間だったでしょうか。よろしければ是非教えていただけると嬉しいです。

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市原えつこ(アーティスト)
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