ロックダウン解除の考え方はどうあるべきなのか

相対的に厳格なロックダウンに陥っていた欧州がそれぞれの判断で、ロックダウンの解除を模索している。

イギリスでは、2月22日に「新型コロナウイルス対策2021年春」が発表になり、緩和に向けたロードマップを提示した。4つに分け(ステップ1は二つに分かれているので、5段階でもある)段階的にロックダウンを解除していくもので、3月8日から始まったステップ1ではたとえば学校が再開する。その後徐々に小売店の再開やパブやレストランの屋外での営業認可となり、6月21日以降に予定される最終的なステップ4では、社会的接触の制限の解除、ナイトクラブや大型イベントや公演の制限も解除、となる予定としている。ただし、①ワクチン接種プログラムが継続していること、②ワクチン接種が効果的であること、③入院患者数や感染率が抑制されていること、④変異株によってリスク評価が変化していないこと、の4つをクリアしないと次の段階に進めないことになっており、ワクチンの効き方が重要であることは言うまでもない。

一方、ドイツではもともと予定されていたロックダウンの期限3月7日まで、を3月28日まで延長決定したばかり。ただ、一部の経済活動は再開させる。学校や美容院はすでに再開。小売店等は7日移動平均で100,000人中50人の感染以下となったら再開方針。ホテル、レストランは3月28日までは閉鎖継続で、3月22日に再延長かどうかの審議を行う算段である。

ロックダウンは短期的な需給を閉めてしまうため、経済に影響があるのは言うまでもないが、教育を止めれば長期のGDPにも悪影響だと言われている。これでは各国政府当局もロックダウンが正しいとも言い切れず、難しいところ。命を守る行動は何より優先すべきだが、目標もなくロックダウンを続けることは不満をためることにもつながる。

軽々に解禁すればいいものではないが、段階的な解除スキームをあらかじめ示すことや、判断基準を明確にすること、変化があった場合には変化を説明すること、など、欧州政府のやり方については学びもあると思うがいかがだろう。

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