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3人に1人は推しがいる モノより体験が推し活を支える

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

「趣味にお金」を使う大学生がバブル期並の水準に回復したそうです。とはいえ、経済成長が力強いわけではなく仕送りは90年代と比較すると3割減少しています。その分、人手不足により高騰するバイト代が趣味に充てる原資となっているとのことです。

大学生の娯楽にかける費用がバブル期並みの水準に回復した。親からの仕送りは3割減ったが、高騰するアルバイト代で稼ぎ、その分を趣味に充てる自給自足の若者像が浮かぶ。バブル期は愛車でスキーや海に出かけたり、ブランド品を身につけたりするのがトレンドになった。令和はアーティストの「推し活」など自分の嗜好に合った消費に熱を入れる。

都内の大学に通う三重県出身の女子大生(21)は飲食店のバイトと企業のインターンシップで生活費を稼ぐ。仕送りは9万円で「光熱費や食事代もあり仕送りだけでは遊べない」。月約10万円をバイトで稼ぎ、余ったお金で楽しむのはアーティストのライブだ。「物を買うよりその場にいてこそ楽しめるライブの方が価値が高い」と話す。

消費者庁の2021年度調査では意識的な支出として音楽フェスやファン交流などの「参加型イベント」を選んだ人は10代後半、20代で16%超。全体平均6.6%の2倍以上だ。

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うちにも大学1年生のこどもがいますが、誕生日プレゼントにモノをねだるというよりは、美味しいご飯を食べたりしたいということが多いです。好きなアーティストのライブには積極的に参戦し、思い出としてTシャツなどのグッズを買っては普段着としても愛用していたりします。それ以外の服は古着屋で気に入ったものがあれば、という感じです。たまにプレミアムのついた昔のアーティストのTシャツを買ってきたりして、こっちがびっくりしてしまいます(私からするとリアルタイム世代なので、、、)。

体験重視といいつつ、最近の推しグッズのバリエーションの豊富さには目を見張ります。いつの間にか定番になったのは「アクスタ」(アクリルスタンド)ではないでしょうか。デスクまわりに飾ったり、自宅に推しコーナーを設ける方もいますし、推しのアクスタを祀る神棚などもあるようです。

実在の人物が祀られるという意味では、天神さま(菅原道真公)のころから変わらない文化とも言えそうで、先天的に我々に組み込まれている祈りの風習なのかもしれません。

祈りと言えば、推し活と関係のある神社として「チケット当選祈願」や「良席祈願」をする人気スポットも。東京では日本橋の福徳神社が有名ですね。

裾野が広がってきた推し活は、関連企業の業績を押し上げる効果も出てきています。

博報堂DYホールディングス子会社のSIGNING(東京・港)が2月に発表した「オシノミクスレポート」によると「推しがいる」と回答した人は全体の約34%を占め、10代女性では8割を超えた。アニメやアイドルなどを含む広義のオタク市場は2023年に約8000億円規模にのぼる。かつての「オタク」のようなネガティブな印象は少なく、若い世代は自然に「推し活」を受け入れている。

異業種から新たな可能性を探って参入する動きもある。広島県に本社を構えるアスカネットは23年11月、Vライバー(バーチャルライバー)事務所のBET(東京・千代田)を買収した。アスカネットは葬儀用の遺影写真の加工・作成を年間約50万件手掛ける。既存事業に加えて、新しい事業領域を探る中で着目したのが、キャラクターを使ってライブ配信を行うVライバー事業だった。

同社の村上大吉朗取締役は「メタバースやバーチャルの世界でも思い出やお気に入りの絵をリアルの形で残すニーズはある」と話す。所属するVライバーのイラストを使ったグッズ販売にも力を入れる。

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一方で安易にビジネスチャンスとして飛びつくのはリスクが大きいでしょう。ファンはSNS等で濃くつながっていますので、悪評もものすごい勢いで拡散されていきます。推し活はただの好きを超えて、自身が日常への活力を得るための投資という側面があるため、その気持ちにどれだけ寄り添った提案ができるかが成功の鍵となるのではないでしょうか。


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タイトル画像提供:Graphs / PIXTA(ピクスタ)

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