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なぜ社会人が博士課程に進学するのか?〜博士資格試験という過程〜

 景気には波があり、当然ですが悪い時も良い時もあります。人生においても、良い時もあれば苦しい時も。放送業務を通して感じるのは、成功者ほど景気や人生の波に関係なく、淡々と日々の精進を重ね続けている人が多いということです。過度な悲観と楽観からは何も生まれません。感染症対策の件で気が滅入る出来事が多いものの、自分のペースを崩さないためにどうすべきかを試されている感もあります。「人間万事塞翁が馬」という言葉があるぐらいですし、この状況を将来の糧にするための2020年度の計画を作っているところです。今回は、そんな2020年度をインプットの時間に費やしたい方や、社会人でも増えている博士後期進学に関心がある方へ向けて体験談を記載していきます。

*社会人と学術研究の両立について

 私は現在、三足の草鞋キャリア生活を送っています。①メディアでの経済解説・②社外取締役などの企業アドバイザー・③大学院博士後期課程でのコーポレートファイナンスの学術研究、3つです。③でのインプットがあるからこそ、①と②が成立しています。③は設備投資的な位置づけです。日々、目まぐるしく変わる現代社会においては、数十年前の学部の学びや現場経験はすぐに陳腐化します。だからこそ、私達の経験や体験を将来に活かすために汎用性のある形に昇華してくれた学術研究の学びが、キャリアに活かせるのです。日々の経済ニュースの点と点が、理論や学術の力で線になり、脳の省エネにも貢献してくれます。

 しかし、①と②という日々の業務に押されると、ついつい③の大学院での研究活動が後回しになることも…情けないことです。だからこそ、景気低迷が予想され時間的に余裕ができやすくなる2020年度は、③に全力アクセルを踏む年度にし、将来の好景気やチャンスに備える準備に充てようと思案中です。もちろん、こうして思案できるのも、家族、パートナー、先生方、ビジネス関係者…すべての人の支えとご縁のおかげです。

*なぜ博士号取得なのか?

 しかし、こうしたことを記載すると、なぜ社会人が博士号を取得したがるのか?と考える人は少なくないかもしれません。理由は、世界を見渡してみると、何かの専門家として名乗る人や、専門的知識をベースにした経営者の方々は博士号をお持ちの方が多く、博士号は専門家としての免許証としての役割を担っていると感じることが多いからです。博士号を持っているということは、この世でまだ発見されていない理論や事象を論文という形にし、世の中に新たな汎用性のある知見を提供したことを意味します。もちろん、日本では博士人材をどう活かすべきかなど課題は多いです。しかし、活動の幅を広げてくれる免許証のメリットは周辺を見渡しても徐々に浸透しつつあり、今後は社会人の方でも博士後期課程に進学を考える人は増えてくることが予想されます。実際、GAFAなど外資系企業を中心に、博士人材は高額フィーで就職している方が多いです。世界では、どこの学部卒なのかでなく、何を体系的に学び何の専門家なのかの方が重宝されているのです。


*どうしたら博士号を取得できるのか?

 博士号を取得するには、まずは何の分野を極めたくて、何の分野に新しい知見を貢献させることが可能かを考える必要があります。学部は学ぶ場ですが、大学院は既存の知見をブラッシュアップさせて、新しい知見を生み出す場=研究の場なのです。そして、所属する博士課程が決まったら、その所属先の規則に従い論文作成が始まります。しかし、それだけでは卒業できない場合もあります。それは、博士資格試験という存在です。それは、その博士課程の人材が大学等で研究関連分野の学びを提供できるだけの基礎知識が備わっているかの試験であり、博士号を与える資格があるかの試験です。これに合格できないと、論文を何本書いても博士号は取得できないです。

 そして、私の所属先は、この試験がある博士課程です…。正直、①と②を進めながら試験勉強をするのは、本当に苦しかったです。この年末年始は、倒れるかと思いました。でも、おかげさまで無事に合格を頂けました!もちろん、いろんな課題も指摘されたものの、なんとか生き残ることが出来ました。支えてくれた皆様に感謝です。

 今年は、リーマンショック、3.11以上の景気悪化になる可能性も出てきています。そう考える理由は、世界経済の頼みの綱の中国経済の低迷長期化、当時よりも非正規雇用比率が上昇していること、日本の財政・金融政策に手段が限られていること…、いろんな背景が重なり合っているからです。でも、ピンチはチャンス。「人間万事塞翁が馬」を意識して、ここは将来のために私も日々の精進を淡々と続ける胆力を極めたいと思います!

ここまで読んでくださり、ありがとうございます!

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崔真淑(さいますみ)

 

 

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