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どっちつかずのマイナポイント。それにしても難解すぎる

遠藤 直紀(ビービット 代表)

利用者に固有のIDがあることは、デジタルサービスでは常識です。常に同一人物を特定できると、個別の情報伝達やサービス提供が容易になります。また、やり取りの履歴などの情報が消失したり2重化されづらくなり、効率的に蓄積できるようにもなります。

顧客志向の企業の特徴の一つに、顧客情報を一元化して管理してることが挙げられます。

これは国の活動にも当てはまることですので、行政の効率化や質の向上を求める政府が、マイナンバーカードの普及を急ぐのは合理的な判断です。

しかし、河野デジタル相は「マイナンバーカードの7月末の人口普及率は46%と、23年3月までにほぼ全国民に浸透させるとした政府目標の達成は絶望的」と述べています。

政府はリーダーシップをとって、国民に対して必然性の理解を促進した上でマイナンバーカードがないと日本での生活が成り立たない状況を作り、強制的に普及させることもできるはずなのですが、こういった北風を吹かせるような方針はとられていません。

また、マイナンバーカードがあると、生活の利便性が目に見えて高まるといった太陽で照らすような施策も一向に出てきません。

現状では、マイナポイントキャンペーンによって数万円分のポイントが付与されることで、マイナンバーカードの利用を促進する施策が展開されていますが成果は芳しくありません。

そもそもキャンペーンに、マイナンバーカードと同時に電子決済の普及という複数の目的を持たせていたり、即座に重い腰を上げさせるすような報酬形式になっていないこともあります。

しかし、もっと大きな問題は「誰が対象で、どうすれば何がもらえるのか、さっぱりわからない難解なキャンペーン」になっていることだと捉えています。

現時点で、国民の約半分は既にマイナンバーカード所有者です。例えば、マイナポイント第2弾の対象者として、カードが保有済みでも大丈夫なのか、健康保険証の登録を過去に実施している人も含まれるのかなどよくわかりません。未成年の扱いはより一層不明です。

さらに、キャンペーン応募に必要なマイナポイントアプリは、マイナンバーカードアプリとは異なり、相互連携も弱いため、どう使い分けて登録を進めていくのかも判然としません。キャンペーン登録にアプリが必要ということ自体が直感的に理解しづらいので、難易度は飛躍的に高まってしまいます。

また、付与されるポイントを受け取るためには、特定の電子決済手段を既に保有していて、何を選択するのか決めておかなければなりません。

現状のマイナポイント第二弾は、親切丁寧な解説の書か、詳しい人の支援がないと、簡単には突破できないキャンペーン仕様になっています。

もし同様のキャンペーンを今後も実行するのであれば、様々な対象者の状況を想定し、利用者の視点で施策の全体像を眺めて、躓きそうな箇所を支援できるように情報の追加や、やり方の見直しやを行うことをお勧めします。

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遠藤 直紀(ビービット 代表)

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遠藤 直紀(ビービット 代表)
エクスペリエンス設計を支援するビービットの代表( https://www.bebit.co.jp/ ) 鳥取県米子市出身、横浜国立大学経営学部卒業。TED 貢献志向の仕事( https://www.youtube.com/watch?v=FUTi1At5B-o )