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日本企業はもはや超ホワイト!?驚愕の中国IT企業労働(996.ICU)を教えます

先日、日本のドラマをBilibiliで検索してたら、「わたし、定時に帰ります。」なんてタイトルのドラマがあるじゃないですか!?
日本人たるもの、「残業上等でしょ、一人あたりGDPは急低下してるけど何か問題でも、効率... 何それ?歯を食いしばって愚直に頑張れよ!」
って価値観と思ってましたが、ずいぶん変わってきたな〜と感想を持ちました。そして世界には皆さんに知ってもらいたい世界があります、そう中国の労働環境はすごいことになってきています!

中華ブラック労働環境「996.ICU」が社会問題に

3月26日、GitHub(みんな知ってると思いますが、プログラマーが集まるオープンソースコードプラットフォーム)上で、「996.ICU」という謎のレポジトリ(プロジェクト)がアップされました。そして瞬く間にスター(LIKE)が集まりました。

ぜひ見てください、めちゃ面白いですよこれ笑

「996.ICU」というのは、朝9時から夜9時まで、週6で働いて、いざ病気になったらICUに行っちゃうほどの重病になるとの意味です。日本でも話題になってる中国のインターネット企業、アリババやテンセント、Tiktokで有名なByteDanceなどの大手でも、暗黙に996を実行しています。サービス残業はもはや当たり前に行われているんです。

世界中のたくさんのメディアが報じているように、中国インターネットビジネスの急成長を支える人口ボーナスもそろそろなくなります。成長が鈍くなるインターネット企業は旧正月(中華圏の人々の正月) 明けから人員削減を行うところが多いです。そして最もリストラされやすいのが35歳以上のプログラマーや中層管理者です。理由は説明不要ですよね、それなりに給料が高く、若者に比べて体力的にきつくなり残業辛くなりはじめた階層だからです。

優秀なエンジニアを確保するのは中国でも大変なことですが、それでも日本などに比べればまだまだパイが大きいので人材は豊富です。そこで、5人分の仕事を3人に任せ、4人分の給料をあげるよ!って、感じになり、彼らは猛烈に働くこととなります。サラリーは当然高いので、はじめは若者の多くが「996最高じゃん!」ってアグレッシブに働き、そして気がついたら病院へ...🚑

そんな環境が当たり前になる中で、今回のgithubでの「996.ICU」反発が起きました。そしてあっという間に社会問題になり、あらゆるメディアで報じられています。

中国企業のトップたちの見解は?

企業のTOPからしたら、人件費を抑えながらも最高のパフォーマンスを出して欲しいな〜と思うのは当然ですよね。そこで巨大企業のCEOたちはどう思ってるのよ?ってインタビューが連日行われ、彼らの回答が話題になってます。

まず、アリババの云(ジャックマー)が4月11日の社内交流会で「996」について聞かれました。

彼の回答はこうです。 個人的な意見と言いながらも「996が実現できることは莫大な幸福だ。」「996は果報だ。」「996をしたい、でもできない会社と人間がたくさん存在している。」「僕の場合、996ではなく、9127で働いてる。」(9127とは朝9時から夜12時まで週7ですよね💀)「この世の中、毎日12時間、13時間、私たちより頑張って働いてる人もたくさんいる。」などを主張しました。  ....さすが宇宙人と言われるだけはあります。



また、EC大手JDのCEO劉強東(Liú Qiángdōng)氏も、個人のSNSで自身の起業当時の話をしました。「自称8116+8(朝8時から夜11時まで、週6日、プラス日曜日に8時間)で働いてきました。そしてJDとしては強制的な995や996を行わないですが、頑張らない社員はいらない」と、今回の996についての見解を話しました。...そりゃたまにはアメリカで羽目外しちゃいますよね。(これの真偽は不明です、後日まとめますね)

中国政府も問題視し始めた

中国の労働法では、労働者の勤務時間は毎日8時間、平均週勤務時間は44時間を超えない労働制度を実行する、特殊な原因で延長する場合は労働者の健康状況を配慮しながら毎日の残業時間が3時間を超えてはいけない。また、月あたりの合計残業時間は36時間を超えてはいけない。ちなみに996を実践した場合、週の勤務時間は最小でも72時間になります。

この状況に、党の機関紙である「人民日報」をはじめ、複数のメディアから批判の声が上がりました。


「人民日報」社説では、奮闘と努力を重視することと、強制的な996とは違うと主張しました。996をしたくない社員に「その日暮らしをする」というタグをつけてはいけない。一生懸命仕事をするやりがいは残業代だけではなく、家族と暮らす時間や、健康な体などもよりいいご褒美であると。

いわゆる「資本家」の意見はなぜ大きな反感を買ったかというと、その主張自身のロジックがおかしかったからです。

例えば、ジャック・マーは「若いうちに996をしないと、いつするの?」「若者の955は人生の無駄」とか言いましたが、955だとしても、退社後に趣味や自己向上、副業すれば全く人生の無駄ではないでしょう。それこそ996の場合、寝る時間さえ足りない環境なので、例えば「もう少し勉強して自己向上したい」って思っても無理ですよね。

また、社長や経営者の007(一週間全部仕事や!)は平社員とは全く違いますよね。社長の残業は会社(社長のもの)のため、社員の残業も会社(社長のもの)のため。社員が過酷な残業に耐えられなさそうな年になったらクビになるが、社長は会社を上場してさらに大金持ちになります。

アメリカでも話題に

エンジニアがアメリカのシリコンバレーで996について取材されものも話題になっています。


「反対の声がほとんどだし、不思議というよりもはやアンビリバボー。996の状態では、個人の勉強や再認識の時間も余裕もなくなり、長期的な損失があり、時代にそぐわない」という声がありました。確かにねー。

日本は中国からこう思われてるよ

日本との比較の話になりますが、日本は最近ブラック労働環境がずいぶんホワイトになってますよね。TBSの「わたし、定時に帰ります。」というドラマが始まったり、4月22日に発表されたマイクロソフト日本社が週4出勤の改革実践を始めるというのも話題に。これらのニュースは中国でも報道されており、中国人たちは、あの「残業大好き」の日本人がホワイトになってきてるんだね、という考えが広まってきています。(企業や個人の成長がどうなってるかはとりあえず考えず)

一部の学者の見解では、日本が今、低欲望社会になっている原因の一つは、父の代の過重労働を見て、あんなふうになりたくないから適当な日々を暮らしたいから なんて言われてますよね。中国の若者も、これからそうなるかもしれません。

皮肉なのは、中国では、「技術の進化が人々を重労働から解放できる」とか、「ビッグデータや人工知能によってより働きやすい環境が作られる」と主張しながら、それらの技術開発や実装に関わるプログラマーが過重労働に落ち、過労死が起きていることです。ちなみに気の毒なことに、中国では過労死という認定がなく、過労で死んでしまったら労災にもならないです

過酷ですよね。「まだ日本で疲弊してるの? You !!海外いっちゃいなよ!」って声を目にすることもあります。素晴らしい経験になると思うので本当におすすめですが、これから海外で(中国で)働いてみようかなぁって思ってる人たちにこんな世界があるってことも知ってもらえると幸いです。

君は、中国企業の996をどう思いますか!?

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