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科学コミュニケーターって、ご存じですか?気軽に科学コミュニケーターに聞きましょう。

専門家の常識は、一般人には通用しない。

 この神奈川県の行政情報の漏洩は、私にとって驚きだった。だって、パソコンのハードディスクのデータ消去のためには、物理的な破壊しか方法がないことを、私たちコンピューターに詳しい人は知っていたからだ。実際に、個人情報保護法の運用が開始されてから、私はHDDの物理的な破壊を何度も行ってきた。皆さんの会社にもハードディスクの破壊行っていますよね。自分の手で。

 ところが、この記事にもあるように、一般の人の理解は異なるようです。

神奈川県の行政情報が蓄積されたハードディスクドライブ(HDD)が外部に流出した。廃棄したはずのHDDがネット上で売り出され、消したはずのデータが復元されてしまう。情報流出といえばインターネットを介したサイバー攻撃に目が向かいがちだが、記録媒体の廃棄に伴うリスクが浮き彫りになった。

実は、この記事にもやや、誤解を生む部分があるのです、「消したはずのデータ」?いえ、HDDのデータは、消えないのです。一般的なパソコンの操作では。

ハードディスクドライブのデータ復旧サービスはビジネス

 その「データが簡単に消えない」証拠に、Googleなどの検索サービスで「データ復旧 HDD」や「データ復旧 ソフト」と検索して欲しい。数多くのサービス提供会社や、データを復旧できるソフトを見ることができる。

 つまり、パソコンの専門家は、HDDのデータを復旧できることを知っている。実際、いくつかの企業では、情報システムに、「昨日作ったファイルを消したので、復活させて」とお願いすると、復活させてくれる企業もあるだろう。

 これは、そもそもHDDの「一般的な消す」という行為は、人からそのファイルを見えなくさせ、再利用可能な記憶領域にするだけであり、完全にデータを消しているわけではないからである。

 問題は、多くの組織で、このようにHDDの消すが、データを消すことではないことを簡単に説明してくれる人は少ないことだ。そして、このようなデータの管理ルールを策定している方たちからは、程遠い技術の話であり、「消す」という言葉を額面通り理解し、今回のような事例につながるののである。本当に、ハードディスクのデータを消すという行為はどのような行為かを、理解していないからである。

デジタル時代、もっと科学コミュニケーターが重要では

 この文章をCOMEMOに書いている理由は、実はこの神奈川県での事象は、すべてき企業で起きるし、別の事例でも起きる。HDDのデータだけではない、携帯電話のメモリーも、復活できるし、もっと言えば、企業の中のネットワークも、セキュリティーの設定次第では登頂可能である。

 実は、このようなことが起きる原因は、新しい技術についての理解不足からくるのである。そこで、この理解不足を補う方法として重要な役割、事後とである、「科学コミュニケーター」という言葉を紹介したい。

 科学コミュニケーターとは、なじみのあるのは、科学館にいる学芸員の方たちです。未来科学館のサイトには、「科学コミュニケーターのお仕事紹介」というページがあります。

一般の方の疑問や期待を研究者に伝えることで、科学と社会の間に双方向のコミュニケーションを生みだします。

とあるように、新しい技術や科学の理解は、「コミュニケーション」から生まれるのでしょう。

 実は、科学はある目的のために進展します。しかし、すべての事象について考えているわけではないのです。今回のハードディスクの事例では、一般の人が、専門家にハードディスクのデータを消すとはどういうことかを聞けば、「壊すことです」と伝えたはずです。

 科学の理解、技術の理解のために、「科学コミュニケーター」に、もっと基礎的な質問をすることが、このような事件を再発させない、一つの方法かもしれません。

#COMEMO #NIKKEI

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