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1on1でテレワークをアップデートしよう!

 みなさんこんにちは!
「1分で話せ」著者ですが、1分で話せない(話が長い)伊藤羊一と申します。
Zホールディングス(ヤフー)で企業内大学Zアカデミアの学長をしながら、2021年4月から武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)の学部長に就任予定です。

 2021年3月から、日経comemoキーオピニオンリーダーとなりました。
 楽しくニュースを考えるきっかけを少しでも提供できたらな、と燃えております。どうぞよろしくお願いします。

 どんな記事でcomemoデビューしようかな?ゆっくり数日眺めながら考えるかな?と構えていたら、いやいや、この記事には、コメントせざるをえない!という記事を発見してしまいましたので、慌ててデビュー記事を書き始めました。こちらの記事です。

 「テレワークで対話不足 切り札は「1on1」」とあります。
まさに!私自身も、これはそこかしこで申し上げています。

 私が所属しているヤフーでは以前より1on1ミーティングに全社的に取り組んでおり(この記事でも同僚がコメントをしております)、個人的にも様々な会社への1on1研修を多数行っております。ですので、1on1についてはみなさんにご紹介できることがたくさんあります。

 そして、新型コロナウィルスパンデミックもあり、私たちはこの1年、ずっとリモートワーク環境で仕事をしています。もちろん、今いまは、緊急事態宣言下での在宅勤務指示によるものですが、会社の制度としても、2020年10月より「無制限リモートワーク」へ移行しており、緊急事態宣言が解除されても、ヤフー社員はほとんどテレワーク(ヤフーでは「どこでもオフィス」といいます)で仕事をすることになるでしょう。

 ヤフーは1on1が浸透していたために、全面テレワークになってもほぼ全く問題なく業務を遂行し続けることができました。まさに最初の記事タイトルにある通り、テレワークで発生した対話不足を解消する切り札としての1on1、これがあればテレワークも怖くない、のです。

 1. なぜ1on1なんだっけ?(リーダー/マネージャーの視点)


そもそも、リーダーとかマネージャーは、何をするのが仕事でしょうか。
一言で言えば、「チームをゴールに導く人」です。それは、リーダーと言われる人も、マネージャーと言われる人も同じです。チームをゴールに導くうえで、やれることを全部やるのです。こんなイメージです。

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 要素としては3つ、ゴールとチームがあり、その間を矢印、つまり「導く」という要素があるだけです。それぞれ、何をすればいいかと言うと、
・「ゴール」:ゴールを設定し、チームメンバーと共有する
・「導く」: プロセスを明確にし、導く
・「チーム」:チームの力を最大化する
 で、「チームの力を最大化する」ためには2つ、「安全・安心な職場にする」という環境面での働きかけと、「一人ひとりの才能と情熱を解き放つ」というチームメンバー一人ひとりへの働きかけの2つが大事になります。

 つまりこういうことです。これがリーダー/マネージャーの仕事です。

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 では、どうやってこれを行うか。チーム全体に働きかけるのも大事ですが、それだけで十分ですか?それぞれにつき、一人ひとりと向き合う必要はありそうですよね。例えば、ゴールをチームで共有しても、一人ひとりの感じ方は異なります。また、プロセスを明確にして導く場合、進捗は一人ひとり異なります。そう考えると、しっかりとチーム全体をゴールに導くためには、全体にメッセージを発すると同時に、一人ひとりと向き合う必要が出てくるわけです。これが、リーダー/マネージャーの視点での1on1ミーティングの必要性です。

2. なぜ1on1なんだっけ?(メンバーの視点)

 では一方で、メンバー側ではどんなニーズがあるでしょうか。
 メンバーは、仕事をしながら、様々なことを悩んでいます。
 メンバー一人ひとりは、通常、「成果を出し、キャリアアップをしたい」と考えています。しかしそもそも、「どこを目指せばよいのか?」と悩んだりします。

 そして、「日々どうやって成長するか」も分からなかったりしますし、今やっている仕事は、果たしてそれでいいのか?と思いますし、はたまた、業務とは関係なプライベートや周囲との人間関係に悩んだりしています。

 これはリーダー/マネージャーの方も、ご自身がメンバーだった時を思い出してほしいのですが、基本、常に悩ましく、ただ、それを全部マネージャーに聞くわけにもいかず、悶々とされていたのではないかと思います。

 ですので、その「悶々としている」メンバーに対し、リーダーが「コーチ」として相談に乗る必要が出てくるわけです。ひとつひとつ、メンバーの悩みを聞きながら、解決のサポートをしてもらう。そういうサポートがあればメンバーはよりスッキリと仕事ができる。これがメンバーにとって1on1が必要な理由です。

3. テレワークにおける1on1の大事さ

 テレワークになるとどうでしょうか。
そもそも、リーダー/マネージャーの視点でいうと、これまで皆が出社して様子が見えたときには、「空気」で、チーム全体として調子がいいのか悪いのか、わかった部分もあろうかと思います。しかしテレワークになると、チームの状況は見えづらいです。ですから、web会議でチーム全体で会議をするのと同時に、1on1でメンバー一人ひとりとコミュニケーションをとることがより必要になってきます。

 そして、メンバー側の視点。出社している時はマネージャーだけでなく、他のメンバーもいるので、何となく安心していたのですが、これが一人で仕事するとなると、「これでいいのか?」「今のスタンスは正しいのか?」悶々とした感情は増すばかりです。ですので対面で仕事していた時よりも、1on1の必要性は高まります。

 マネージャーはメンバーの話を聞き、質問をして思考を深めながら、相手の気づきを促し、時にはフィードバックしながら、メンバーが生き生きと仕事をする。それは、マネージャーが行うべき仕事そのものです。

 逆に言えば、テレワークでチームの状況が見えづらくなったように思えても、全体会議だけでなく、一人ひとりと1on1ミーティングを実施することで、チームのコミュニケーションはバッチリです。しっかりと1on1ミーティングをすることにより、メンバー一人ひとりの気持ちや状況に寄り添うことが可能になります。
1on1は、だからこそ「テレワークの対話不足の切り札」となるのです。

 チームはメンバー一人ひとりの集合体です。一人ひとりは、能力も違えば、価値観も違う。進捗も、悩みも全部違います。その一人ひとりの違いを受け入れ、一人ひとりと丁寧にコミュニケーションしていくことが、テレワークにおいて成果に直結することと思います。

 テレワークでコミュニケーション不足を感じられている方はぜひ、1on1ミーティングにチャレンジしてみてください。霧がすっと晴れていくように感じられると思います。難しく考えず、まずは1対1で向き合ってみましょう。話が続かなければ雑談しましょう。それで大丈夫です。まずは始めましょう。

 

 
 
 

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