日本型雇用の認めない「Alumni(卒業生)」
世界には辞めた人間を「卒業生(alumni)」とまで呼んでリレーションを保持する会社があるのに対し、日本ではどちらかというとこれを脱藩者(記事中の表現では「裏切者」)のように追い詰める雰囲気の方が強いという現実が事例と共に巧く記述されている記事だと思いました。ひとえにメンバーシップ型の正社員を基軸とする終身雇用・年功賃金の下、社員を家族のように見做す日本型雇用特有の事象なのでしょう。その結束感が吉と出る時代も当然ありましたが、「個」の力で局面を打開することも増えている現状の世相を踏まえると、やはり変化すべき余地はありそうです。
少なくと「辞める人間」に対して辛辣な態度を取って良いことはお互いに1つもないでしょう。また、「辞める人間」に「辞めるのを止めろ」といって止めることも恐らく稀だと思います。今日の同僚は明日のお客様ないし協業のパートナーとなる可能性もあるわけで、慰留するならばまだしも、その後も恨まれるような言動を取るメリットは企業側も労働者側も無いのは明らかでしょう。労働規制改革、より具体的には雇用流動化の帰結として、個々の企業におけるそうした「度量」の拡がりも期待できるのだとすれば、やはり進めていく価値のあるものだと思います
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO24472750R11C17A2000000?channel=DF180320167086