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OYOの日本進出戦略のうまさ

インド発のホテルスタートアップ OYOについては過去にも書いたことがある。

この時にはホテルという枠の中で彼らの勝算を考えたのだが、下記の最新の記事によると不動産(賃貸)業界に参入するという。

今後、日本の不動産は、空室・空き家が増加の一途であると見込まれているし、一部の一等地を別にすれば、全般的には地価の下落にも悩まされることになるだろう。

そういう中で、不動産業界に切り込み、ゲームチェンジを仕掛ける発想には、正直に言って脱帽だ。ビジョンファンドの出資先でもあり、孫さんのメンタリングもあることだと思うが、彼らの事業が本当にうまくいくかどうかはこれからとして、着眼点はとても素晴らしいと思った。

折しも、レオパレスが問題を起こしているさなかでのこの発表。タイミングとしても申し分ない。

既存プレーヤーがひしめくホテル業界に、正面切って後発のブランドが切り込んでいくことは、いくらIT武装をしていると言っても、控えめに言ってそれなりに困難なことだろう。

そこを、決定打がないままに放置され、また過去の惰性で新築が続いて将来の空室がなおも増大している「空き家問題」にうまく切り込める可能性があるこのアプローチは、日本の不動産業界に一石を投じるだろうし、貸す期間の長さの違いだけと考えるなら、アパートメントホテルと賃貸住宅の垣根を取り払うモデルになる可能性もある。別な観点で言えば、AirBnBとホテルの中間に位置するポジションを作る動き、とも考えられる。

もちろん、法律的にどのような扱いになって、それをどうクリアするかと言った課題はあるが、今後に注目していきたい。

Out of the box な発想の大切さを、改めて感じさせられた。

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