2年以上ぶり、インバウンド再開の大きな1歩
2022年5月5日、岸田首相は、英国の金融街シティーで講演し、新型コロナウイルスの水際対策を6月に緩めると表明されました。
「主要7カ国(G7)諸国並みに円滑な入国が可能となるようさらに緩和していく」と「日本は今後とも世界に対してオープンだ」と語った。「ぜひ日本にお越しください。最大限のおもてなしをする」と呼びかけたそうです。
2022年5月26日、岸田首相は旅行目的の訪日外国人にも国境を開いていくことを表明しました。
この「再開」の意味を詳しくみていきたいと思います。
また日本のインバウンド市場にとって、「プラス要素」と「マイナス要素」を紐解いていきたいと思います。
※これはあくまで、日本のインバウンド市場から見たプラスとマイナスです。諸外国および日本の政策に対する評価ではありません。
青・黄・赤の3色に対象地域を色分け
以下の外務省ホームページにあるとおり、諸外国を3色に色分けしています。信号みたいなイメージですね。6月10日から入国できるのは、「青」の国・地域から来た旅行者のみです。
▼外務省ホームページ
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100349273.pdf
「青」区分の国・地域を書き出してみます。
2019年訪日外国人旅行者の上位の国・地域は、ほぼ「青」区分(大きなプラス要素)
重要なことは、上記の「青」区分の国・地域は、訪日外国人旅行者の、大多数を占めているということです。
中国は引き続き「ゼロコロナ」政策を堅持(マイナス要素)
厳しい都市ごとのロックダウンが日本のニュースでも取り上げられている中国は、引き続き「ゼロコロナ政策」を堅持しています。中国では、秋(おそらく11月ころ)に重要なイベント「共産党大会」があり、かつ、今年は5年に1度の選挙(国家主席選挙)のため、当面、ゼロコロナ政策を維持するのではないかと見られているようです。
上記の円グラフでわかるように、中国はナンバーワン訪日旅行者輩出国でああり、2019年は約960万人が訪日しています。2019年の訪日全体数の3188万人のうちの960万人ですから、約30%の市場ですが、これはしばし戻らぬマーケットでしょう。
「青」区分の国・地域からの旅行者は入国空港での検疫および入国後の隔離なし(大きなプラス要素)
前述の外務省HPによると(https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100349273.pdf)
ということで空港検疫での検査も隔離もありません。空港検疫は、非常に大きな負荷を空港運営にかけていて、現在は成田・羽田・関空などの主要空港に日本中の検査技師も集結させているため、入国時の検査必須である限り、空港の受け入れキャパシティは物理的に増えないのです。また、地方空港はこの検査体制が用意できず、受け入れができないということになります。コロナ禍前は、日本国内の約30の国際空港で、海外からの定期航空便が就航していました。そのため「入国時の空港検疫検査なし」は非常に大きなプラス要素です。
以下のニュースでは、【ニュースより引用】北海道の新千歳空港と沖縄県の那覇空港について、「6月中に国際線の受け入れを再開できるよう準備を進める」とした。【引用おわり】となり、地方空港での受け入れ再開の動きが一気に活発化しそうです。
地方空港に直接入る外国人はコロナ禍前、25%までに増加
「青」区分の国・地域からの旅行者であっても、完全な個人旅行(FIT)は、まだ入国許可されず(マイナス要素)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100349274.pdf こちらの外務省ホームページによると、「青」区分の国・地域からの旅行者であっても日本入国には以下の条件がついています。
つまり、受け入れ責任者(たとえば旅行代理店など)が事前に申請しないといけないということですね。コロナ禍前の訪日旅行では、FIT(Free Individual Traveler)と呼ばれる個人自由旅行が主流(韓国・香港では9割程度、台湾7割程度、中国でも7割程度がFIT)だったため、これはマイナス要素といわざるを得ません。しかし、ビジネス目的客や留学生は、事前申請なく、FITと同じように自由に日本国内で動くことができることを考えると、これもいずれは緩和されていくものと考えられます。
入国上限を1万人→2万人に引き上げ(マイナス要素)
繰り返しになりますが、2019年は3188万人の訪日外国人旅行者数がありました。もちろん季節や諸外国の休暇に影響を受けて繁忙期・閑散期はあるのですが、えいやっ!とこの数字を365日で割ると、1日あたり8.73万人が入国していたということになります。(実際は5万~15万ぐらいで幅があるのだと思いますが)
この平均8.73万人/日、という数字からすると、2万人/日は、まだまだキャパシティ不足でしょう。
「ゼロコロナ政策」のため、当面、訪日が増えない中国人(2019年960万人)を差し引いても、3188万人ー960万人=2228万人、2228万人÷365日=6.1万人、になりますので、ここからせめて、6万人/日までに入国上限が緩和されることを望みます。
※2022年6月1日追記情報※
入国上限がさらに引き上げになる可能性
2022年6月1日、さらに2万人→3万人の発表がされました。
具体策として「医療保険加入義務付け」へ(観光庁)
WAmazingも医療保険を扱っているので、詳細を観光庁 国際観光課に問い合わせ中です。
変化は、「良い変化」も「悪い変化」も人間にとってストレス
実は一般的に「良い変化」と言われているもののほうが適応が難しい
WAmazingにとってのコロナ禍が始まってから2年と約4か月、でした
WAmazingは台湾・香港向けのサービスを2017年2月に開始したため、最も多いのは、台湾・香港からのお客様でした。
2020年2月14日、台湾の厚生労働省に相当する衛生福利部、中央感染症指揮センターが日本への渡航の警戒レベルを「1(注意)」に指定した、まさにその日から「超ピンチモード」が開始。
中国武漢からの団体旅行者の入国は2020年1月25日に日本政府により禁止されていましたが、WAmazingの顧客層は台湾からが6割だったため、この時点ではまだ私の危機感はそうでもなかったんですよね。でも、台湾が日本を危険認定したのは、我々が非常時モードに突入する契機となりました。
その後、2020年5月1日からWAmazingは創業からつくってきたサービスを一時停止することになり…この一時停止が2年以上に及ぶとは想像もしていませんでした…。長い長い2年4か月でしたが、なんにせよ、大きな1歩を静かに自宅で静かに心の中で喜んでおります。(こういう時、原則フルリモートワークは寂しいですね。笑)
ここから歴史的な反転攻勢をともに!WAmazingは仲間を絶賛募集中です!
訪日外国人旅行者はここから劇的に回復していくと思われます。2016年安部内閣のときに打ち立てた「2030年には6000万人の外国人旅行者をお迎えし、日本国内に15兆円の消費をもたらす」という目標を現・岸田内閣も変更せず、堅持しています。
ここからは、より「訪日客数のみならず、消費単価向上を追いかける(量を追いかけつつも質を高める)」や「受け入れ地域・事業者側のDX(デジタルトランスフォーメーション)」や「地域住民と共存共栄する、持続可能な観光推進(サステナブル・ツーリズム)」が求められていくでしょう。
WAmazingには、その礎となり日本が真の観光立国になる一助となれるし、なるべきだという強い自負があります。
ここからの大冒険をともにしてくれる仲間を大募集中です。
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