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トップダウン?ボトムアップ?『アオアシ』に学ぶフィールドでのチームプレイ

お疲れ様です、メタバースクリエイターズ若宮です。

今日はちょっと組織のあり方について考えていることを書いてみます。

「トップダウン」か「ボトムアップ」か

組織のあり方でいうと、よく言われるものに「トップダウン」と「ボトムアップ」というのがあります。トップダウンはトップが指令を出し、それに従って組織が動くスタイル。一方、ボトムアップは現場から意見を上げ、そこから組織の意思決定がなされるスタイルです。

トップダウンとボトムアップのどちらがいいか?という問いは長らく組織論としても議論されてきたと思いますが、どちらにもメリット・デメリットがあり、なかなか結論がでない問いです。

例えば、トップダウンは意思決定が迅速に行える反面、リーダーの判断が間違っていると全体が誤りますし、「裸の王様」のように正しい情報が上がってこなくなるとブレーキも効きません。一方、ボトムアップは現場の意見を活かせるものの、意思決定に時間がかかり、まとまりがなくなってしまうこともあります。


これはなにも企業の組織論に始まったことではなく、人類は有史以来どちらがよいか模索してきたところがあります。この辺はコテンラジオの「民主主義の歴史」というシリーズが非常に興味深いので、ぜひ聴いてみてください。

君主制や寡頭制のように、一部の人が方針を決めるシステムは効率的ですが、独裁的になりやすい側面もあります。逆に、ボトムアップは民主的でよいように思えますが、ポピュリズムに陥るリスクもあります。人類はどちらのパターンでもこんだけ失敗を繰り返してきたのか…と色々考えさせられます。


個人的には「トップダウン」か「ボトムアップ」か、というのは組織の規模やフェーズによっても最適解が変わると思っています。例えば、小規模な組織ではボトムアップも機能しやすいですが、規模が大きくなると一体感を保つのが難しくなり、トップダウンの要素も必要になってくる。「村」のような小規模コミュニティでは話し合いで決められますが、「国家」のような規模では大統領制や議院内閣制のように代表者を選んで決定を委ねる必要があるのと同じですね。


とはいえ、時代の流れとしては徐々に完全なトップダウンは通用しにくくなっているとも感じます。例えば、最近あった大企業の不祥事を見てもそうですが、「独裁」と言われるような体制が続き、トップが現場と乖離しすぎるといずれ事故が起こります。

トップダウンの意思決定プロセスは決断が早いので、一見すると変化の早い時代に向いているようにも思えます。しかし実は現場からの情報が上がりづらくなることで時代の変化に鈍感になるため、VUCAといわれるような不確実な時代には実はリスキーで、ボトムアップ型の方が柔軟に変化できレジリエンスも高いのでは、と個人的には考えています。
(時代に逆行するように今トランプ大統領が強力なトップダウンで、車体がギシギシいうようなスピードで変革を進めていますが、これが奏功するかは注目したいところです)


上下を捨てよ、フィールドへ出よう

弊社メタバースクリエイターズでは、今年の年始に改めて組織のvaluesのようなものを掲げました。

最近、社内でチームのあり方を考えるときに、サッカーを例に出すことが多くなりました。「トップダウン」「ボトムアップ」は上下関係を前提にした考え方ですが、サッカーのフィールドをイメージしてみると、上下はありません。

前衛や後衛といったポジションの違いはありますが、フィールドでは全員が平等にプレイヤーとして戦っています。上か下か、ではなく同じフォールドでプレイするプレイヤーとして、チームワークを捉えたいなと思っています。


その際、とても参考になったのが「アオアシ」という漫画です。

これは元々、お友達の「がくちょ」こと仲山進也さんの著書をきっかけに読んだのですが、がくちょの本にも原作漫画にもチームづくりや育成についてのヒントがたくさんあるので激おすすめです。


今弊社のチームで特に意識していることで、アオアシから学んだポイントを3つあげてみます。


①一人ひとりがボールを前に進める意識

チームで掲げている行動指針の一つに、「一人ひとりがボールを前に」というのがあります。

「アオアシ」で繰り返し語られるのは選手一人ひとりが自分で考えて動くことの重要性です。トップダウンのように指示を待つのではなく、各自が自分の役割を理解し、主体的に考えて動く。

フィールドに立っている間、一人ひとりがボールを前に進め、ゴールにつなげる意識をもつ。これはボールを持っている時だけでなく、自分がボールを持っていない時もです。スペースに走り込んだり、相手選手をブロックしてスペースをつくったり、チーム全体としてボールをゴールまで進めるために、常にできることがある。一人ひとりがそう意識し続けるチームでありたいと思っています。


②選手同士のコーチング

「一人ひとりがボールを前に」と言っても、一人でプレイすることではなく、同時に常にチームだということを忘れないようにしたいと思っています。

そこでもう一つ掲げているのが「選手同士のコーチング」です。

これも「アオアシ」で学んだのですが、サッカーでは試合中選手たちは常に声を掛け合っていますよね。個人のプレイヤーが一人称の視野だけでは見えていないことを補完するために「右スペース!」とか「後ろから来てるよ!」など、声かけが重要です。これを選手同士の「コーチング」と言います。

個々人がボールを進める意識を持つことは大事ですが、それが行き過ぎて無理な場面でも一人で突破しようとしたり、ボールを持ちすぎて潰されてしまっては意味がありません(それはスタンドプレーです)。せっかくチームでやっているのですから適切にヘルプを求め、チームとして連携してプレイすることが大事。

仕事でも同じだと思っていて、個人の主体性や責任感は大事ですが、全てを一人で抱え込んでしまうと行き詰まったりチーム全体のパフォーマンスが下がってしまいます。だからこそ、お互いに気づいたことや要望は遠慮せず、率直かつ爽やかに伝え合える関係性を心がけたいと思っています。

そのためになるべくフラットな関係を意識しています。(肩書ではなくニックネーム+さん付けで呼ぶとか、順番を遠慮しないとか)サッカーでも勿論先輩後輩などの上下はあるでしょうが、フィールドの上では遠慮は禁物です。試合中に「○○先輩、申し訳ございませんがもう少々左に動いていただけませんでしょうか?」なんて丁寧に言っていたら、タイミングを逃してしまいますよね。


③ボランチ・リーダーシップ

サッカーには上下はありませんが、前衛後衛はあり、どちらかというと点を取るフォワードが花形なイメージで、ディフェンダーは裏方っぽい感じがあるかもしれません。

20世紀には「リーダーシップ」というとフォワードっぽいイメージのほうが強かったのではという気がします。「リード」する、というと前にいる感じがしますしね。


ただ、最近では「サーヴァント・リーダーシップ」とも言われるように、リーダーは必ずしもぐいぐい率先垂範すればいい、というわけではないと思っています。

「アオアシ」でもそんな場面が出てくるのですが、司令塔の役割を担いゲームをリードするのは最前線のフォワードではなく、中盤やその下のボランチのようなポジションで、むしろその方が試合の状況を広く見渡し、全体をマネジできるのです。

スタートアップではもちろん攻めの姿勢が大切ですが、それと同時に、チーム全体の動きを把握し、バランスを取ることも必要です。前に突っ走ることばかり意識していたら、気づけば誰もついてこなかった、なんてことにもなりかねません。(僕自身30代前半くらいまではこういう勘違いをしていて大失敗したことがあります)

また、自軍のベースがしっかりしていないとみんな全力で攻め上がれません。バックオフィスの充実もそうですが、マネジメントは中盤から下くらいのポジションで全体をみて、チームみんながのびのび動けるような環境づくりを大切にしたいな、と思ってます。


「一人ひとりがボールを前に」という意識をもちつつも、チームとして「選手同士のコーチング」を大事にする。そしてチームが安心してのびのびプレイできるように、組織と環境づくりを頑張っていきたいと思っています。

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