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27回のジョブチェンジから学んだ、自分流リスキリングの秘訣

今回は、 #仕事のポリシー  をテーマにいただいたので、これまでのキャリアを振り返り、ジョブチェンジやリスキリングにおける自分なりのポリシーを整理してみようと思います。


労働人口の減少対策と実質GDP向上、さらに言えば個々人の「生きる力」を高めるためには、、個人に委ねるのではなく、国や企業がその推進を担うべきだ(というかそうでもしないと動かない)という論調が、ようやく現実になろうとしている人材流動化と、その後押しとしてのリスキリング

メディアでもその重要性とか成功事例とか頑張って立ち向かおうとする企業や個人の事例があちこちで紹介されております。

私がお手伝いしているプロトタイプ政策研究所でも、ジョブ型雇用を推進するための業界標準となるデジタル基盤の整備を提言されておりました。

補助金をぶんどるために、いたずらに「リスキリング!」を叫んで煽る意図はないんですが。高齢化が加速し、DXやマイナ導入などで無駄なコスト削減は推進するにしても、社会保障費の引き締めは避けられなくなっていくだろう中で、「一時期がんばった人は、その後のんびりできる」とは限らない世の中になっていくんじゃないかと思うんですよねぇ。誰しもが簡単に「リスキル」できる状況や経緯を持ち合わせないのでしょうが、どうしようもない時には社会保障費を使いつつも、極力「自分でなんとか食い扶持を稼ぐ」工夫を続けないといかん世の中になっていくんじゃないか、と。

というわけで、今後どうやっていこうか、考えを整理すべく自分のキャリアを振り返ってみたいと思います。


都度キャリアの棚卸しをしたり、人に自分のキャリアを説明する中で、特徴だなと思えることがいくつかありまして。

それが頻繁なジョブチェンジであります。

振り返ってみると、ざっくり27個のジョブを変遷してきたことになります。

そこから見えてきた、ジョブチェンジをしてもやっていくためのコツ、、自分流リスキリングの型について整理してみます。

●常に3、4年でジョブチェンジしてきた

まず、これまでにどんなジョブチェンジをしてきたか振り返ってみます。

そもそも、ジョブチェンジの定義をChatGPTに尋ねると、、

一般的に職業や職場を変えることを指します。これは、同じ企業内での異動や昇進、または他の企業への転職を含みます。

だそうです。ほほう、転職しなくてもジョブチェンジは発生するのか。確かに異動や昇進も役割や求められるケイパビリティが変わるもんな。その定義で振り返ってみると、、

■フリーランス時代
業務用PCの仕入れ&組み立て
ウェブサイトの構築全般(要件定義、デザイン、コーディング、サーバー設定等)

NTTソフト時代
新技術&製品のリサーチ
小規模ソフトウェアの開発
火消しプロジェクト(プロジェクトマネジメントのサポート作業、主にデータベースのチューニング)
システムの要件定義
外注管理
 →この辺は、全部ひっくるめて、システム開発管理のマネジメントと言えるかもしれませんが。

■ITベンチャー役員時代
営業
プロジェクトマネジメント
経営管理、事業管理
経営企画
人事(採用、組織設計、制度作り等)

Sansan時代
マーケティング
広報
エバンジェリスト(スポークスパーソン)
公共政策担当

独立後
社団法人の立ち上げと運営
カンファレンス企画運営
ロビイング
官民連携支援
広報コンサルティング
研修講師
講演
書籍執筆
スタートアップ投資

■個人活動
コミュニティーづくり&運営
飲食店の経営(ロックバー。経営、バーテン、DJ)

合計27個のジョブを乗り換えたり並行運用してきたようですね。粒度が粗いのはご容赦を。こうやって見ると、我ながら節操ないなぁ。

なぜこれだけのジョブを渡歩いてきたかと言うと、「必要に迫られたから」と「好奇心」の掛け合わせであります。

スタートアップにおりますと、目の前に落ちてきた課題やトラブルに対して、片っ端から立ち向かわねばらねならないので、経験があるとかやりたいからとか関係なく、やらなきゃいけないって感じで手をつけることになります。

結果的に、タッチする仕事の幅は広がることになりますね。きちんと体系立てて学んだり、お作法に沿って手をつけていく機会ばかりではないので、最初は勝手流で粗っぽいのですが、場数だけは踏みます。

で、こなしていくうちに、だんだんとコツを掴んだり、お作法を学んでチューニングしていくことになるんですよね。

●ジョブチェンジの「型」ができた

で、これだけたくさんのジョブを乗り換えていると、だんだんと新しい事に取り組むときのお作法と言いますか、効率の良いキャッチアップの方法が確立されて参りました。

自分の中で確立されたのはこちらの4ステップです。

1、興味を持って実践する。
まずはやってみる。必要に迫られて、、のケースも多い。

2、やっていることを、手順やフレームワークに整理する
知見をまとめる。人に引き継ぐために整理することも。

3、発信する。
整理した知見を、ブログに書いたり、同業者との勉強会で共有する。
説明の機会が増えるたびに、フィードバックや質問を受けることで、より知見が洗練される。

4、ラベリング
身の回りや業界の中でラベリングされ、お声がかかりやすくなる。
発揮する場が増えて、より知見が強化される。

20代を終えるあたりからこれらのフレームワークに気づき、以降は意図的にこのサイクルを回すようにしておりますね。これはあくまでも自分流の型ですが、近視眼的になったり迷った時に「型に立ち戻ってみよう」と思えるので拠り所にはなりますね。

●過去の仕事が、期せずして次のジョブで活きる

ちなみに、過去の仕事が「その後、期せずして活きた」ケースをいくつか挙げてみると、

■学生時代のサーバ管理やプログラミング
見様見真似で手をつけていたレベルだったのに、「つい引き受けちゃった」バイトや現場作業をこなすために、あわてて勉強しながら仕事をこなしたUNIXサーバ管理や構築仕事、それにともなう基礎知識が、やがてNTTグループや後のWebサービスベンチャーでの実務に活きる。

■アルバイトチームのマネジメント
学生時代、背伸びして企業相手の仕事を取り付け、学生を集めて仕事を回していた経験が、やがてNTTグループやwebベンチャー時代(複数事業の管理)のPM業務や、独立後のや複数案件のマネジメントにも活きた。

■火消しチーム経験
激務を承知で志願して飛び込んだ「火消しチーム」で、大規模プロジェクト管理やクライシスプロジェクトに臨むスタンスを学んだ結果、のちのWebベンチャーにおける数々のクライシスプロジェクト(それはそれでどうかと思うが)で、「それでも何とか前に進める」覚悟を持って、心折れずに臨むことができた。(もちろん、幾つもの推進手法も活きた)

■背伸びして経営に携わる
Webベンチャー時代、必死で現場を回さねばならぬ傍ら、必要に迫られて素人ながらも経営企画&管理、人事、組織等の業務に関わったり勉強した(いくつかのビジネススクールに通ったりもした)結果、Sansanで広報やマーケティングを立ち上げるにあたって、「経営や組織に目配せしながらも、社外に向き合う」という役回りに、さほどストレスなく楽しみながら立ち向かうことができた。

■エヴァンジェリスト(スポークスパーソン)業務
実は背水の陣で始めたSansanでのエヴァンジェリスト(コネクタ)業務。自分の成果の発揮どころを見出すべく、「何をやれば正解なのか」を模索しながらもがく。結果的には広報の知見強化と多くのつながりを得ることになり、独立後のコミュニティ作り、官民連携活動等の礎になった。

などがありますねぇ。他にも、細かくは色々あるかもしれません。

意図して過去の経験を生かせる仕事についた場合もあれば、期せずして役に立ったケースもあります。経験を生かそうと狙っていても、思い通りにいかないことも多いんですよねぇ。自分の興味や、目の前の必要性に迫られて立ち向かったジョブに対して、「何とかやりきろう」と向かい合った結果得た知見が、幸にしてひょんな時に役に立つ機会が多かったように思います。

●新しいジョブに臨むときに心掛けていること

最後に、上記のフレームワークに沿って動く上で、気をつけている事をいくつか挙げてみます。これはリスキリングに臨む際にも参考になるのではないでしょうか。

・悩む前に「まず手を動かしてみる」。自分の体感をもとに学ぶ方が吸収率が高い。
・一次情報を得る。学ぶときは第一人者にヒアリングする。その後に勉強。
体系的にも学ぶ。(ビジネススクール、フレームワークなど)
・学んだことは、すぐ試してみる
・気づきは短いサイクルで「独自フレームワーク」に落とし込み、ブラッシュアップする。
・「独自フレームワーク」を発信する。発信や教える機会があれば、惜しみなく打席に立つ。

「ジョブチェンジの型」とも重複する部分もありますが、こんな感じでしょうか。「とりあえずお手本をゲットする」「考えすぎず、体感や人の声を重視する」、、というスタンスみたいですねぇ。


ということで、今回自分のジョブチェンジの変遷を振り返りながら、「ジョブチェンジ」を乗り切るためのスタンスや、自分なりの「リスキル」の方法を棚卸ししてみました。この方法がいつも通用するか分かりませんが、少なくとも「自分はこうやって立ち向かおう」というベーシックな型があると思えるだけで、ちょっとは不安が和らいでいる気もいたします。

ジョブチェンジやそれにともなうリスキリングを検討している方に、少しでも参考になれば幸いです!

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