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東京五輪の可否がマーケットに及ぼす影響

記事にもあります通り、政府は東京五輪に向けて前向きな姿勢を示しておりますが、新型コロナは世界中で依然として猛威を振るっておりますので、今後の動向次第では、東京オリンピックが中止という形になる可能性もまったくなくなったわけではないでしょう。

記事にある通り、政府が外国客を大規模に受け入れることを想定しているのであれば、東京オリンピックが中止になった場合に最も注意しなければならないのは、日本人や外国人旅行客の特需が失われることとなります。

過去の夏季五輪の平均的な効果に基づけば、仮に東京オリンピックが中止になった場合、完全な形で開催された場合に比べてGDPベースで▲1.7 兆円、経済波及効果ベースで▲3.2 兆円程度の経済損失が発生すると計算されます。

逆に、仮に無観客であれ東京オリンピックが開催されれば、耐久消費財の買い替えサイクル等に伴い、トータルの需要創出額は 4000 億円程度が期待できます。

こうした中、企業業績の先行きを織り込む株価の上昇率は、ワクチンの実用化期待などにより、すでに東京五輪開催を織り込んでいる可能性が高いでしょう。

となると、仮に東京五輪が中止となれば、建設やセメント業界等については、経済への悪影響を通じたオリンピック後の再開発等にも悪影響が懸念されるため、株価への影響も無傷とはいえないでしょう。

また、住宅・不動産関連についても、東京オリンピックが開催されれば新型コロナでいったん落ち込んだ観光客の増加でホテルや一部の商業施設の需要増加が期待されますので、その部分が失われれば、株価への悪影響が生じる可能性があります。

さらに、運輸関連も東京オリンピック開催に向けて魅力的で利便性の高い街に開発された東京への観光需要が失われるでしょうから、株価への悪影響が懸念されます。警備や家電関連も、観戦に関連する警備や家電の特需が失われるため、株価へ影響が生じる可能性があります。

ただ、株式市場全体で考えると、日本株が米国株と連動している通り、日本経済の影響を受けるのは限定的との見方もあります。

東京オリンピックが開催されるか中止となるか自体は関連業種を中心に株価にとって材料視されるでしょうが、株価全体で見れば、東京オリンピック開催の可否が決まる時点での先行きの世界経済見通しにより大きく左右されることになるでしょう。

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