サウナ採用にフルリモート制度...日本のZ世代の会社は、なぜフィンランドに学ぶのか?
9月中旬から末にかけて、1週間ほどフィンランドに行ってきました。
日中は仕事をして、夕方16時には退勤し、サウナに行く。そして、18時には晩ごはんを食べて寝るという、日本では考えられないような健康的な生活でした…。
僕は新たな刺激を受けに3ヶ月に一度は海外に行くようにしているのですが、フィンランドは過去に行った国の中で一番好きな国になりました。
何といっても好きだったのは、街の雰囲気が落ち着いていること。
イラつきながら歩いている人はいないし、道にはゴミ一つ落ちていない。
信号無視する人もいなければ、クラクションを鳴らす人もいない。
環境に影響を受けやすく、イラついている人の横にいると、何だか自分までイライラとした気分になってしまう僕にとっては、それが一切ないことがとても新鮮で、穏やかな気分で過ごせました。
僕わた、フィンランドの企業に似ている説
最近、僕のなかでは、フィンランドの企業が僕と私と株式会社のロールモデルになる説が出ています。
日経クロストレンドでも連載をされている堀内 都喜子さんの著書『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』を読んでいると、僕わたが目指す姿はまさにフィンランド人の働き方を実践できる企業なのではないかと思えて仕方がないんです。
そこで、今回は現地に行って、フィンランドの街や人の姿を見ながら、改めて会社について考えていたのですが、「幸福度が世界一」と言われるフィンランド人のライフスタイルはやはり参考になります。
また、僕と私と株式会社もすでに実践されている部分は多いと感じました。挙げてみるとキリがないほどですが、ここでは大きく2つを取り上げ、日本のZ世代の会社にとってフィンランドの企業がロールモデルとなる理由をお話します。
ワークライフバランスを重視!フルリモート・フルフレックス
まず、コロナ禍で大学時代を過ごしたり、オンラインでの就活を乗り越えてきたZ世代にとって、フルリモート・フルフレックスで働くというのは珍しいことではありません。
僕わたでも、設立当初から社員全員が「フルリモート・フルフレックス」で働いています。メンバーは北は北海道、南は石垣島。中には海外から働くメンバーも。
「会えないから、仕方なくオンラインで働く」のではなく、それぞれが自分にとって一番最適な環境で生活をしながら働くためにオンラインを利用する。これが僕わたの考える「フルリモート」の考え方です。
実際に会ったことのないメンバー同士が一緒にプロジェクトを進めるのは、もはや当たり前ともいえる光景ですし、今回経営者である僕がフィンランドからリモートで働き、普段通り業務を行えたのも、この働き方が社内に浸透していたおかげです。
そのため、コロナ禍に設立した会社ではありますが、コロナが落ち着いた今でも働き方が変わることなく、これからもこの制度を変えるつもりはありません。
実はフィンランドでは、コロナ禍以前から「ハイブリッドワーク」をはじめとした柔軟な働き方が行われていました。以前より、週に1度以上、在宅勤務をしている人が3割ほどいたとのこと。
▼フィンランド人の働き方に関しては、こちらの記事がオススメです
「職場から家が遠い」「幼い子どもがいる」「家の静かな環境で集中したい」など、理由はさまざま。それぞれのライフスタイルに合わせて働く考え方は、今の僕わたと同じものがあります。
リラックスしながら等身大の自分で話してもらう「サウナ採用」「サウナワーケーション」
次に、フィンランドの代名詞ともいえるサウナ。現在日本で大ブームを巻き起こしていますが、Z世代も例に漏れずサウナにハマる人が続出しています。
僕と私と株式会社では、希望する方を対象に僕と2人でサウナを楽しみながら採用面接を受けていただく「サウナ採用」や、コワーキングスペース付きのサウナ施設に集まって、サウナやサウナ飯を堪能しながら働く「サウナワーケーション」を実施しています。
「サウナに入りながらコミュニケーションを取れば、メンバーも面接希望者もリラックスした状態となり、等身大の自分を表現してもらえるのでは?」という着想から始めたこの制度。
日本の「ととのう」サウナとは少し違った考えということもあり、リリースを出した当初は大きな反響があったのですが、実はフィンランドでは同じ考え方からサウナがビジネスの場となるケースがあるそうです。
今回フィンランドでビジネスマンがサウナに入りながら商談をしているシーンを見かけることはできなかったのですが、行ってみて改めて思ったのはフィンランド人にとってサウナがとにかく身近なものであること。
どのホテルにも当たり前のようにサウナがありますし、商業施設の中にもしれっと存在しています。
日本では公衆サウナ内で話すのはあまり推奨されていませんが、フィンランドでは話しながら入っている人も多く「自分と向き合い、ととのう」場所よりも家族団欒やリラックス、社交の意味合いが強いのだと感じました。居酒屋に行くような感覚で、知らない人も含めてコミュニケーションを取る場となっているようです。
Z世代のなかには、サウナイベントに足を運んだり、サウナ付きコテージに宿泊したりと、友人とともにサウナを楽しむ人が多く、サウナが単なる「ととのう」場から「コミュニケーションを楽しむ」場に変化していっていることが伺えます。
なぜ、Z世代の考え方はフィンランドに近いのか
なぜ僕と私と株式会社の社風が、フィンランドに似ているのか。それは、Z世代とフィンランド人は「ウェルビーイング」への価値観が似ているからだと考えています。
ウェルビーイングとは、「身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念」を指す言葉。これは仕事や学校生活、日常などを問わず、フィンランドで大切にされている共通概念です。
もともと休憩やオフの時間を重視していたり、コロナ前からリモートワークが普及したりしていたのは、やはり心身ともに健康で豊かな状態をベースにしているためだと言えるでしょう。
このようなワークライフバランスを重視するウェルビーイングの在り方は、Z世代の考え方に合っています。Z世代は、ウェルビーイングな生き方を実践できる時代を生きているからです。
もちろん、価値観はさまざまなので一概には言えませんが、本来フィンランドのような「自分らしく生きながら働く」考え方は、日本でも昔から誰もが憧れるようなものだったのではないかと僕は考えています。
今までは、自分らしく生きながら働く方法をごく一部の人しか知らなかったため、その考えすら尊重されなかった。ウェルビーイングは「怠惰だ」「自分勝手だ」と言われ、在宅勤務やフリーランスといった働き方はありえないものだった。それだけなのではないかと。
しかし、今は違います。
スマホやインターネットの進化によってリモートワークは気軽になり、SDGsの普及によって、ジェンダーレスなファッションが生まれたり、男性でも育休を取りやすくなったりと、自分らしい生き方を実践できる時代になりました。
今はSNSでさまざまなロールモデルを発見することができ、より自分の人生を自分好みにカスタマイズできます。そんな時代を生きるZ世代は、ウェルビーイングなライフスタイルに憧れを持ち、実現できる世代だといえるでしょう。
僕と私と株式会社は、フィンランドをリスペクトしています
僕と私と株式会社は、ウェルビーイングな働き方に憧れを持ったZ世代が集まる会社。であれば、その働き方を実践できるカルチャーを取り入れよう!
そんな気づきを得てから、社内ではさまざまなフィンランドの働き方やマインドを取り入れる動きが生まれています。
「まずはやってみなければ分からない」をモットーに、内面的な部分から読者のみなさんの目にも入る場所まで、至るところにフィンランドの風を吹き込む狙いです。
実は水面下では、僕わたのイメージカラーやデザインを刷新し、フィンランドデザインを取り入れるプロジェクトも動いていたり...!? ここは改めてまた、ご報告させていただきます。
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僕と私と株式会社と通じる部分の多い、フィンランドのウェルビーイングなカルチャー。今回のワーケーションで1週間以上そのマインドに触れたことでたくさんの学びを得ることができました。また行きたいなあ...。
今後の僕と私と株式会社の動向も、楽しみにしていただけると嬉しいです!
このnoteでは、Z世代経営者の僕が日常生活で感じたことや、習慣などを発信しています。Z世代の皆さんの役に立てるような情報もお話していますので、ぜひスキやコメントお願いいたします!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。他にもこんな記事を書いているので、ぜひご覧いただけたら嬉しいです!
※このnoteは個人の見解です。
今瀧健登について
1997年生まれ。SNSネイティブへのマーケティング・企画UXを専門とし、メンズも通えるネイルサロン『KANGOL NAIL』、食べられるお茶『咲茶』、お酒とすごらくを掛け合わせた『ウェイウェイらんど!』などを企画。
Z世代代表として多数のメディアに出演し、"サウナ採用"や地方へのワーケーション制度など、ユニークな働き方を提案するZ世代のコメンテーター。
日経COMEMOではZ目線でnoteを綴り、日経クロストレンドでは、「今瀧健登のZ世代マーケティング」を連載中。
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