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Alexa国内アクセスランキング24位の独翻訳ソフトDeepL(ディープエル)、世界で最も利用者数が多い国は日本

以前から「グーグル翻訳よりも精度が高い」という評判とともにじわじわと国内でも利用者が増えている独発の翻訳ソフト、DeepL(ディープエル)について、先週の日経電子版に紹介されていました。日本での有料サービスDeepL Pro(750円/月額 & 9,000円/年額等)のサービスが開始したのが昨年2020年6月15日です。ほぼ1年を経て、急速に利用者が増えていることに驚いたので備忘録的に記録しておきたいと思います。

インターネットの翻訳サービスで独DeepL(ディープエル)が存在感を高めている。昨年から翻訳対象に日本語も追加し、「定番のグーグル翻訳より精度が高い」との評価も聞かれる。ヤノスラフ・クチロフスキ最高経営責任者(CEO)は日本経済新聞の取材に「(米グーグルなどに対する)優位性を維持できる」と自信を示した。
--中略--
サイトのアクセス状況を把握できるサービス「シミラーウェブ」によると、21年5月の合計訪問者数はのべ1億7500万人で、20年12月より44%増えた。グーグル翻訳の7億8150万人には及ばないが、日本のウェブ辞書大手の「ウェブリオ」(約4170万人)を上回っている。

実際のデスクトップサービスの利用イメージはこちら。5,000文字までの翻訳ならば無料版で利用できますが、有料版にすることで5,000文字以上の長文でも簡単に翻訳することができます。

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日経電子版の記事でも紹介されているように、サイトのアクセス状況の概要を把握できるサービス「シミラーウェブ」によると、21年6月の合計訪問者数は1.7億人強で、更に、利用者数においても世界中でDeepL開発拠点の独を凌ぎ、1位(17.06%)であることが伺えます。日本人は海外のニュースに興味がないと言われがちですが、こうした便利なツールが登場したことで多言語の情報へのアクセスをしている人が増えているということはとても前向きな情報なのではないか、と感じます。

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最近は目にする機会は減ったかもしれませんが、今もアクセスランキング測定サービスとして知られているAlexaでDeepLについて調べてみたところ、24位にランク入りしていることに驚かされます。同サイト内での日本のウェブ辞書大手の「ウェブリオ」は43位に位置しています。ランキング入りしているサイトを詳しく見てみると、あまり知らないサイトもいくつか含まれていて、どこまでAlexaランキングの信憑性があるかは不確かな印象も実はあります。なのであくまで目安の数値として見つつも、DeepLに勢いがあることは感じ取ることができます。

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ちなみにSimilarweb内での国内ランキングを見てみると104位となってます。辞書・参照資料の世界カテゴリにおいてはウィキペディア、QAサイトのQuora(クオーラ)に次いで2位であることが示されてます。

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コロナ禍でZoom というサービスが登場したことで遠隔ビデオ通話という新しいコミュニケーションの可能性が広がったのと同じように、この1年を振り返っただけでもDeepLのようなツールの登場とともに、英語を中心とした海外情報へのアクセスが本当に容易になったことに驚きます。

日経電子版Proというサービスを利用することで、今までも提供されていた記事の英訳機能のみならず、中国語訳もワンクリックで可能になったことが先日報道されてました(2021年7月5日)。

また、テック系のニュースキュレーションサービスの「TechFeed」も海外で人気のテック系記事のキュレーション、そしてGoogle翻訳を連携させることで見出しや記事本文もワンクリックで閲覧できるサービスを先日リリースしました(2021年6月24日)。プレスリリースの中で紹介されている調査結果「日本で読まれていない、良質な英語記事がたくさんある」という指摘にはとても共感するものがあります。

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DeepLのようなツールも既に知っている人にとっては「便利だよね、使っているよ」というものかもしれません。一方で、災害時に外国人住民をサポートする地方自治体の担当者さん、オリンピック・パラリンピック関連等で日本を訪れる外国人の方とコミュニケーションを取る必要性がある方、外国人の顧客を持つ飲食店の方などにも、こうした便利なツールの存在が広がっていくことを願ってます。

今後の事業展開についてクチロフスキ氏は口をつぐむが、グーグルのブラウザー「クローム」向けに1クリックで翻訳ができるようにするプラグインは出ないのかと聞くと、「実現するかもしれない」とほのめかした。

個人的には冒頭ご紹介したインタビュー記事の最後で触れられているプラグインサービスの登場がとても気になります。年率100%の成長を誇り、20年末に約100人だった社員数も21年内に200人を超える見通しとのこと、近い将来のリリースを心待ちにしています。その時に今回書き記した訪問者数やアクセスランキングなどもぜひ見比べてみたいと思います。

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