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アップルと教育

多くの人に知って欲しいアップルの取り組み

私は都内の私立中・高で英語科の教員として生徒たちの指導をするかたわら、Apple Distinguished Educator(以下、ADE)として、日々進化を続けるテクノロジーと教育の関わりについて研究を続けています。

ADEとは、iPadやMacなどアップルの製品を活用して素晴らしい(革新的な)教育実践を行っている教育者のこと。
アップルからADEに認定されると、世界中の教育者の集まりであるADEコミュニティの一員として仲間に加わることができます。
ADEの認定については通常2年に1度ADEの募集があり、その際に自分の教育実践を短くまとめたビデオなどの作成・提出が求められます。
ADEコミュニティには『信頼できるアドバイザー』『熱心な提唱者』『真の執載者』『グローバルな大使』であれ、という4つの大きな理念があります。

ただ単にiPadを教室で使って終わりではなく、
iPadを使うのが苦手な先生方の頼りになれるようサポートができているか?
iPadを活用した教育実践について、SNSやブログなど様々な方法で発信をしているか?
世界中の先生方と協力しながら、使命感を持ってより良い教育の実現に貢献しているか?

といったいくつかの視点がADEとして活動していく上で重要になっています。

素晴らしい仲間との出会い

ADEに認定される要件のひとつにInstitute(インスティチュート)と呼ばれる、それぞれの地域で開催される研究会に参加すること、というものがあります。日本はアジア・太平洋地域に所属しており、実際のインスティチュートの場では、オーストラリアやマレーシア、中国、韓国、台湾といったADEの先生方とともにお互いの教育実践を英語で伝え合いながら、時にはひとつのプロジェクトに取り組んでいきます。
インスティチュートではiPadを教室の中でどのように活用していくのか学んでいくことだけではなく、お互いの国の教育について本質的なディスカッションをする場面も多いです。私は、このインスティチュートを通して国内外に多くの友人を作ることができました。

ADEの魅力のひとつがこうした国内外の『素晴らしい仲間』との出会いです。
教員という職業は油断をしていると学校の外になかなか出る機会のないまま、日々を目の前の業務に追われながら漫然と過ごしてしまいがちです。
クラスという閉鎖的な空間で、社会とのつながりを感じながら子どもたちにとって大切なことを授業で伝えていくのはなかなか難しく、こうした意味のある授業を行うにはかなり高いスキルが要求されます。
テクノロジーの進歩によって、私達教員自身がどのように社会や世界とつながっているのか、問われる時代になったとも言えると思います。

世界中の先生方と出会って

私がADEコミュニティに2017年から参加して感じるのは、日本全国、世界中に素晴らしい志を持った先生方がたくさんいて、そのすべての先生方が様々な場所で、目の前の子どもたちのために苦労しながらチャレンジを続けているということ。
また「学ぶことは楽しいんだ」というシンプルで力強いメッセージを、日々授業を通して子ども達に伝えている先生方が世界中にいることに気付けたことです。
私は何度も彼らの情熱や行動力に感動し、心を大きく動かされてきました。

小学校、中学校、高校、大学、特別支援学校、教育委員会、それぞれのフィールドで同じ志を持ちながら、頑張っている仲間がいること。また、苦しい時に支え合える仲間が、世界中にいること。
世界中の先生方と出会って、あらためて教員という仕事は、子ども達の未来に触れ、より良い未来を作っていくことにつながる素晴らしい職業なんだと再認識できたと感じています。

2019年の夏、早朝のブリスベン空港

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