「アートで一攫千金」目指し日本の美大に集う中国留学生
週刊ダイヤモンド「ニッポンの中国人特集」のとあるコラムが非常に面白く、つい注視してしまいました。
「アートの世界で一攫千金を目指して美大へ」 「起業するよりリスクは小さい上、無名でも成功すれば億万長者になれる」
と非常にバブリーな思想で現代アートの世界へ流入する中国の若者が増加しているようです。羨ましい気概だ……。
© etsuko_ichihara
アメリカと中国で市場のほとんどを占める現代アートの競売市場
中国の血気盛んな若者とは対象的に、自分が知る限り日本では「一攫千金したいから現代アーティストになる」という作家はまず見たことはありません。
というのも、日本国内には現代アートの競売市場がほとんどないため、大儲けする様子を想像しにくいという事情も手伝っていると思います。以下は「現代アートの競売・都市別売上ランキング」なのですが、
アメリカと中国で市場のほとんどが占められている現状がよく分かります(実際、最近香港に行ったのですが、めっっちゃ金のかかった感じのアートギャラリーやデザイン施設が多いことに驚きました)1位 NY・アメリカ
2位 北京・中国
3位 ロンドン・イギリス
4位 香港・中国
5位 上海・中国
6位 パリ・フランス
7位 広州・中国
8位 南京・中国
9位 杭州・中国
10位 台北・台湾(『アートプライス年報2014』より)
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO90584350V10C15A8MY7001/
現代アートは超富裕層向けのビジネスとも言えるので、格差や貧富の差が大きく、経済成長がめざましい国との相性が良いのが現状かもしれません。
横並び志向が強く、不景気の日本でアーティストとして生き残るのはかなりシビアな戦いとなるので、日本のアーティストは語学を身に着け、アメリカ、シンガポール、中国などに焦点を向けた商売をするのが賢明なのだと近年は気付いているところです(頑張ります…)