ジョブ理論を活用してストーリーをつくる方法__1_

ジョブ理論を活用して顧客の解像度をあげる方法

今日は「ジョブ理論」をテーマに書いていきます。

自分は、マーケティングを考える時の視点を大きく2つに分けています。

ジョブ理論.001

①市場起点で考える(鳥の目でみる)
②顧客起点で考える(虫の目でみる)

視点を意識的に切り替えると、戦略がマンネリ化しなくなると考えています。

①市場起点で考える

市場起点(鳥の目)で考えるフレームワークは、普段マーケティングトレースで推奨している基本5フレームです。

よくマーケティングのフレームワーク基礎で紹介されるものですね。

②顧客起点で考えるとは?

今日は、顧客起点(虫の目)で考えるをテーマに書いていきます。

ジョブ理論.002

顧客起点で思考するために、どのようなフレームワークを活用すると良いかを考えていきます。

よくある状態
とりあえずペルソナつくって・・・で、どうするの?

追加でインタビューでもしてみるか・・・

という状況になりやすいと考えているので、フレームワークを活用して顧客起点で思考する方法を整理してみました。

ジョブ理論を学び直そう

ジョブ理論。

一度は聞いたことある方が多いのではないでしょうか?

イノベーションのジレンマで有名な、クリステンセン先生が出した本が日本でも有名ですね。

人々が商品やサービスを自らの生活に「雇用」するのは
そこに「片付けるべきジョブ」があり、
ジョブを片付けることで「進歩」するためである
Clayton M. Chiristensen

顧客はジョブ=「特定の状況で顧客が成し遂げたい進歩」を片付けるためにプロダクトやサービスを雇うという考え方です。

ジョブ理論は知っているけど使えていないという方が多い印象です。

自分も何となくわかっている状態でしたが、改めて学び直すと、顧客の解像度を上げて、ストーリーをつくり直すのにかなり便利だと感じています。

ジョブ理論を図解してみる

ジョブ理論の全体像.001


下記3つを整理することで顧客の解像度を上げます。

①ユーザーの状況
②ユーザーの目標
③ユーザーの片付けたいジョブ×3

ストーリー化

ジョブ理論を活用して顧客起点でストーリーをつくってみる

ここから、マーケティングトレースをサンプルケースとして、ジョブ理論からストーリーをつくるプロセスをご紹介します。

①ユーザーの状況に焦点を当てる

ジョブ理論の詳細.001

ここではマーケターになりたい人がマーケティングを学習する状況について考えていきます。

特定の状況(行動前)
戦略を考える時間がとれない、そもそも方法がわからない。

特定の状況(行動中)
コトラーの書籍を読んで、概要は理解したが、何をすれば良いのかわからない。

特定の状況(行動後)
理論やフレームワークを活用できる機会を探す

この状況の中で、マーケティングトレースと出会ってもらうための工夫が大切になります。

ジョブ理論では、あえて、年齢、性別、嗜好性などのセグメンテーション軸では区切らないことがポイントです。

②ユーザーの目標=ゴールを可視化する

ジョブ理論の詳細.002

顧客が達成したいと思う目標と、その目標に対する進歩を可視化します。

目標
フレームワークを活用して経営戦略とマーケティングをつないだアウトプットを出せるようになる。

現状の進歩
フレームワークは知っているけど使いこなせていない。

ここでは、目標と現状のギャップを可視化して、顧客がギャップを埋めるための道筋をイメージします。

③ジョブを3つに分解する

ジョブ理論の詳細.003

ユーザーが目標を達成するために片付けたいと考える仕事を可視化します。

ジョブ理論では、ジョブはこの3つに分解することが推奨されています。

①機能的なジョブ
②感情的なジョブ
③社会的なジョブ

マーケターの3つのジョブを整理してみましょう。

機能
(例)フレームワークを使えるようになる、ビジネスモデルを理解する

感情
(例)戦略を考える方法を理解し、キャリアに希望を見出す

社会
(例)マーケターと繋がり、安心感や刺激を得る

顧客のジョブを片付けるストーリーをつくる

ジョブ理論は、顧客が課題を解決するストーリーに落とし込むと、チーム内で共通認識を持ちやすくなります。

顧客のジョブを片付けるストーリー
機能、感情、社会3つのジョブを片付けるための取り組みを

・特定の状況において出会えるよう準備し

・顧客の目標を進歩させる

このストーリーに落とし込めると、顧客のニーズを把握するとか、ニーズを理解するとか、ストーリーをつくるとか・・・曖昧な議論で終わらせている状態を抜け出せます。

ジョブ理論活用のまとめ

市場起点のマーケティングフレームワークに偏り過ぎると、顧客が見えなくなる危険性があるので、虫の目で考える時間は意図的に確保することを推奨しています。

市場起点⇆顧客起点

この両視点を往復しながら思考することが大切だと考えています。

今回は、ジョブ理論を活用して顧客の解像度をあげる方法を整理してみました。

マーケティングトレースにも、ジョブ理論の考え方を取り入れて、鳥の目と虫の目の両方を活用しながら、戦略を考える思考を磨いていきたいですね。

本日の日報は以上です。