気候変動問題について考えるきっかけとして〜#CoveringClimateNow
9月23日に国連本部で開かれる「気候行動サミット」に併せて9月20日に開催された地球温暖化対策の強化を求める世界一斉デモ、「Global Climate Strike(国内では「グローバル気候マーチ」)」には、若者を中心に163カ国で400万人以上が参加したそうです。
最新号の「エコノミスト」誌や「タイム」誌でも1冊まるごと「気候変動」に特化した特集を組むなど、国連総会が開催される『国連ウィーク』のタイミングに合わせ、地球温暖化対策、気候変動、気候危機(Climate Crisis)に関する報道が先週から意識的に増えていることを感じます。
そんな時に気になったのがこちらの「Covering Climate Now(気候変動を今)」を掲げるジャーナリズムのコラボレーションプロジェクトでした。
「ザ・ネイション」と「コロンビア・ジャーナリズム・レビュー」の2人のジャーナリストが中心となって始めたこのプロジェクトは、各媒体が名前を連ねることで、世界中の多様な気候変動問題関連の報道を可視化させよう、という取り組みのようです。既にガーディアン、ブルームバーグ、バズフィードニュース、朝日新聞など、世界中から300以上のニュースメディアが名前を連ね、10億人にメッセージを届けることが目的に掲げられています。
プロジェクト発起人の一人であるカイル・ポープ氏(コロンビア・ジャーナリズム・レビュー)のポッドキャストを聞いてみてなるほど、と思った点が3つあったのでご紹介したいと思います。
①気候変動問題=「アクティビスト」的イメージ:気候関する報道は全体的に増えているものの、まだ十分ではなく、今回のプロジェクトで参加を呼びかけた際にも、気候変動問題を積極的に取り上げることで「アクティビスト」的、政治的なイメージを持たれることを恐れ、敬遠されることが多かったそうです。
②広がりつつある若者からの支持:リベラルよりのメディアであるガーディアンなどは積極的に気候変動問題を取り上げていて、気候変動問題に関する記事は常に高額の寄付を集めるきっかけとなっているそうです。「60ミニッツ」などのドキュメンタリーで有名なテレビ局のCBSは、気候変動問題を扱うことで若年層からの視聴者獲得に効果的という判断をしていて、気候変動問題を積極的に取り上げているそうです。
③今回のキャンペーンは単なる始まり。今回のコラボレーションプロジェクトは23日に開催される気候行動サミットを経ていったんは終了するものの、その後に各メディアの様々な切り口から掲載された記事を比較、分析することで将来の相互コラボレーションや進化が期待できるのではないか、と指摘しています(ハッシュタグ #CoveringClimateNow )。経済、ビジネス、スポーツ、文化、法律など、気候変動問題はあらゆる社会の側面に関わっていることを考えると、注目すべきデータ、記者、学者、テクノロジートレンドなど、アーカイブ的に参考にすべき点などもありそうです。例えばある地域でスポーツを切り口に描いた気候変動のストーリーは異なる国、異なる都市で同じようなアングルでの記事執筆のヒントになるのではないか、とのことです。
「驚くほど日本では知られていない」こうした気候変動(危機)について、自分自身もかつてに比べて意識が遠くなってしまっていたと感じていただけに、こうした問題にも改めて意識的に興味・関心を持たなければ、と考えるきっかけになりました。できるところから小さくてもいいので何か行動ができるオトナでいたい、と思わされるテーマであると感じます。