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「軽EV」が爆発的に売れてる理由はすごくよくわかる

自販連と全軽自協が発表している販売台数ランキングで、日産自動車の軽EVサクラが電気自動車部門トップを独走しています。昨年6月に発売して、8か月連続でトップとか。

サクラは発売される以前は、価格が295万円と従来の軽自動車とくらべればかなり高価なことや、航続距離が180キロしかなく短いことなどが問題とされていましたが、蓋を開けてみればこの好調ぶり。

ガソリンスタンドが減っている問題

わたしはこの10年前後、東京と長野、福井の三か所を移動しながら暮らす三拠点移動生活を続けている者として、「軽EV」という新たなマーケットが地方生活にきわめて適合していると考えています。

地方生活の大きな課題のひとつとして、ガソリンスタンドが減ってきているという問題があります。

この記事でも説明されていますが、1994年のピーク時には全国で6万か所以上あったガソリンスタンドは、いまや3万を切るまでに。人口がまばらな地方では死活問題で、近所のガソリンスタンドが廃業してしまって遠くの町まで給油に行かなければならなくなったという話はよく耳にします。ガソリンを入れるために、ガソリンを消費して数十キロも走るという空しさ。

自宅に充電設備を設置すれば、この問題は解決します。そして地方生活の場合、住まいはマンションではなく戸建てが中心です。自分の家に自分のお金で充電コンセントを設置するだけですから、都会のマンションのような「誰が充電設備のコストを負担するのか」というトラブルもありません。

航続距離は180キロでもう十分

サクラの航続距離180キロというのも、ほとんど問題にはならないでしょう。地方ではクルマは「ひとり1台」が基本です。たとえば60〜70歳代の両親と30代夫婦、小中学生の子どもという家族なら、子ども以外は全員クルマを1台ずつ。ここで大事なのは、30代夫だけは大型のミニバンなどに乗っているということ。遠くに旅行に行ったり週末に遠くのショッピングモールに行ったりするときに乗るのは、このミニバンです。

いっぽうで両親と妻は、それぞれ軽自動車に乗っています。用途は通勤や近所のスーパーやコンビニでの買物、さらにはゴミ出しなんてのもあります。本当に田舎になると、ゴミステーションが自宅から数百メートルも離れているというのは珍しくありません。

こういう近所の「チョイ乗り」用途だけなら、航続距離180キロはなんら問題ではありません。チョコチョコっと乗って、夜は自宅で充電すれば、朝にはフルになっている。もう十分すぎるほど十分です。長距離ドライブするときには、夫のミニバンを出動させれば良いのです。

さらにEVの良い点として、暖機運転が必要ないということがあります。近所のコンビニやゴミステーションに行くだけだと、ガソリン車のエンジンは暖まりません。真冬にはエアコンの暖房が効かず、寒い思いをします。しかしEVならこの問題がありません。

わたしはスズキのハスラーとジムニーを長野と福井の拠点にそれぞれ置いてこの10年乗り回していますが、燃費が意外に悪くあっというまにガソリンタンクが空になってしまうことや、たまに高速道路に乗る用事があるとあまりにもパワー不足なところが不満でした。しかしサクラは電費がかなり良いと聴きますし、パワーも普通乗用車並みかそれ以上という話を聞きます。

田舎暮らしで次に買い替えるなら軽EVだと思う

高価な車両価格については、たとえばサクラは295万円ですが、経産省の補助金55万円を差し引くと240万円。さらに自治体によっては独自の補助金を交付しているところもあり、たとえば気前の良い東京都だと45万円。これを差し引くと195万円にまで下がります。最近の軽自動車は150〜180万円ぐらいはしますから、EVの税金の安さなども考慮すれば、かなり手の届く範囲にまで来ているとは言えるでしょう。

ただし雪国だと、大雪の場合にEVで大丈夫かという議論はあるとは思います。しかしわたしの住んでる福井嶺南部や長野東信地域は雪はさほど多くありません。なので次に買い替えるのなら軽EVしかないだろう、というのが今のところの結論です。

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