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地域とアートは儲からない?! 瀬戸内から学ぶ地域ビジネスの考え方【旅連載#0】

こんにちは、「幸せに働ける人と地域づくり」をミッションに、週4社員、週1富山フリーランスをしていますミノです。

今回のテーマは、『瀬戸内から学ぶ地域ビジネスの考え方』についてです。

『地域ビジネスは儲からない』『アートはお金にならない』そう考えている人は少なくないのでしょうか。そんなことを問いかけている私もそう思いっている一人でした。

今回は、”金曜夜の旅立ち”により、瀬戸内芸術祭の実行担当者と2日間現地を回ることができたことで、その偏見がクルりんとひっくり返された!ということで、私のように、地域とアートは儲からないと思っている方向けに、その衝撃を5回コラムでまとめていきたいと思います。

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1. 瀬戸内芸術祭とは、世界が注目するアートの祭典

皆さんは、日本で最も大きな地域芸術祭の一つ、瀬戸内芸術祭(別名:瀬戸内トリエンナーレ)をごぞんじでしょうか?

瀬戸内国際芸術祭は、3年に1度、瀬戸内海の12の島と2つの港を舞台に開催される現代アートの祭典です。私も後で知ったんですが、””トリエンナーレ”とはイタリア語で3年に1度という意味。なので瀬戸内トリエンナーレも、その名の通り3年に1度の開催サイクルで実施されています。

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2010年に第一回目を行い、2013年に第2回、2016年に第3回が開催され、今年2019年は第4回、開始年度から数えて10年目の年となります。

また、開催期間も1年中ではなく、3つの季節に分かれて行なわれています。
【ふれあう春】2019年4月26日(金)~5月26日(日)
【あつまる夏】2019年7月19日(金)~8月25日(日)
【ひろがる秋】2019年9月28日(土)~11月4日(月)

今年の開催期間は以下の通り、春からずっと都内やメディアでもプロモーションが続くのできっと、SNSやメディアで、『草間彌生のかぼちゃ』を見たことがある人が多いのではと思います。

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(写真:日中は30人ぐらい並ぶので朝6時に撮影した一枚)


2. 日本だけでなく、海外からの熱い視線が。

この瀬戸内芸術祭は、世界からの注目も熱いことで、更に国内からも注目されています。世界的な旅行出版社、ロンリープラネットは、2019年に訪れるべきアジア地域で、日本で唯一「Shikoku(四国)」をピックアップ。アートによる地域振興のイベントとしての瀬戸芸や、豊かな自然を生かしたサイクリングなど国内外の観光客の心をつかむ資源が豊富にあるからだと書かれていました。

私が現地に伺ったときはちょうど秋会期が始まったばかり。運営者の方に話を聞いてみると春から始まった瀬戸芸の来場者数は、秋会期の序盤で80万4694人と、そのうちの2〜3割が海外ゲストではないかということです。私が宿泊した直島のベネッセハウスでも、多い月では8割の宿泊客が外国人と言うから驚きです。

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(写真:美術館に滞在できる?ベネッセハウスの一室)

3.運営者の覚悟と使命、『初年度から黒字必達を目指せ!』

世界のアートムーブメントの一つになった『瀬戸内芸術祭』これを誰が運営しているのかというと、岡山をふるさとにもつ『福武財団』です。皆さんにとって馴染みの深い「進研ゼミ」を提供していたベネッセ株式会社の配当金で運営されている財団です。

わたしは、今回の四国滞在で運良く「福武財団」の中でこの芸術祭の立ち上げに関わった方に案内いただけることになりました。立ち上げの苦労話や住民の方の反応などを、これでもかと言うほどオープンに語ってくれました。

あとで書くんだけども、私がビックリしたのは、この地域×アートビジネスが、今やコスト12億円、全体売上139億円で運営されていることだけでなく、初年度から黒字化必達とされていたということでした。

最初から補助金ありきでアートを考えるのではなく、小さく1つの島で黒字ビジネスとして運営してみて、徐々に賛同者や実践者を集めていく。

地域が変わるには時間がかかるが、1度の開催ごとに3年の間があるから、町の人も心と自然の準備ができる。時間を越えても愛されるアートと自然をうまく融合させているにも関わらず、かなり筋肉質な事業が軸にあることは気づく人は少ないのではと思います。

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(写真:福武財団は”修行道場”と語る塩田さん/内田さん)

4.アートに興味がないあなたも大丈夫

瀬戸内芸術祭を聞いたことがあるけれど、「アートに興味がないし」「芸術とか語られても、わからないし」という方は、ぜひ『ビジネスモデルの研究』として瀬戸内芸術祭を、見ると面白いと想います。

私がビジネス視点で見聞きしたものを以下5つのコラムにまとめていきますので、行きたいけど今回は時間がない人にとって、ぜひ何かの気付きになれば嬉しいです。


【予告】瀬戸内芸術祭:コラム
1. 地域とアートが稼げるようになるまで
2.ビジネスとアートをどう結びつけるか?
3. 地域の小さなイベントに、企業スポンサーをつけるには?
4. 誰のためのイベントなのか?過剰なインバウンドと向き合う今
5. 地域を巻き込むための施策

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瀬戸内芸術祭に関わる人達の挑戦は始まったばかり。アートはもちろんですが、地域ビジネスとしての変遷や、進化をわたし自身も、今後楽しませてもらいたいなと思いました。

ビジネスって果汁みたいなものかもしれない。実がなるのは何世代も先かもしれない。それでもわたしたちは樹を植える。私たちが作り出したものを、孫たちが味わえるように。
(米国フォトグラファー マティカ・ウィルバー)


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