バーチャル・イベント・プラットフォームのHopin(ホッピン)、サービス開始から8ヶ月で企業価値21億ドルに
2020年を振り返る際に印象に残っているテーマの1つとして、「バーチャル・イベント」があります。Zoomなどを活用したオンラインイベントを主催したり、参加した人も多くいるのではないでしょうか?
Zoom以外にもバーチャル・イベントのプラットフォームサービスは数多くあるのですが、2019年6月設立し、2020年3月にサービス提供開始したばかりのロンドン発のスタートアップ企業、Hopin(ホッピン)をご存知でしょうか?
11月上旬にHopinが1億2500万ドル(約130億円)の資金調達に成功し、企業価値がサービス開始からたった8ヶ月で21億ドル(約2,185億円)のユニコーンへと成長したという報道には正直驚かされました。
その8ヶ月の間に社員数は8人から215人に、利用者は5,000人から350万人に、クライアントの数も1,800から5万へと成長し、年間売上高(Annual Recurring Revenue)は既に2,000万ドル(約20.8億円)と、驚異的な成長を続けています。年内に更に150人を採用予定とのことで、同社求人サイトには大量のポジションが掲載されてます(全て「リモート」での採用というのも特徴的です)。
Hopinがここまでの成長を遂げることに成功したのは、2019年6月の創業時にオンラインとオフラインのハイブリッドなイベント・プラットフォームの可能性を信じ、数年前から開発を進めてきたことが理由にあります。オンライン・イベントを単なる一方通行のセミナーとして捉えるのではなく、ネットワーキングの機会、スポンサー企業のブース出展&商談、そして複数のキーノートスピーカー配信、課金機能など、競合他社が持ちあわせてないサービスを開発し、新型コロナウィルスにより多くのイベントがオンライン対応を必要としていたその時に実装していたことが現在の驚異的な成長の理由です。
以下のサービス紹介動画は昨年2019年の12月20日に公開されたものですが、まるで現在のパンデミックが訪れることを予期していたかのようなサービスが用意されていることに先見の明を感じます。
今までにテッククランチ、アトランティック、国連、NATOなどの世界的な組織や企業が主催するイベント開催に利用されていますが、国内ではまだ使用実績が少ないため、目に触れる機会は多くないかもしれません。ただ、先日新しくリリースされた機能「Explore」を利用することで、人気のあるイベントを簡単に見つけたり、「テクノロジー」「教育」「ビジネス・アントレプレナーシップ」などのカテゴリー別、また「Japan」などのキーワード毎の検索をすることが可能になりました。
Hopin 創業者&CEOの Johnny Boufarhat(ジョニー・ブファハット)氏はブログの中でバーチャルイベントは新型コロナウィルスの感染が収束してもその利便性やデータ活用の可能性から今後も存続する、と指摘していて、一部をリアルなオフライン開催、一部をオンラインで「ハイブリッド」な形での開催が一般的になっていくことを予測しています。
今週(12/2-4)開催が予定されている欧州最大級のテック系イベント「ウェブサミット」はオンライン開催で10万人の参加者を見込んでいるとのことです(Hopinではなく独自のイベントプラットフォームを利用)。
また、来年1月にはラスベガスで毎年開催されているCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)が1月11日〜14日にバーチャルでの開催が予定されてますし(12/1から申込受付開始)、昨年中止となったSXSW(サウス・バイ・サウス・ウェスト)も3月16日〜20日でのバーチャル開催が予定されています。
対面でのカンファレンス開催が困難な状況が続く中で、今までは現地出張することで得られた海外でのネットワーキングの機会が著しく減っています。グローバルなカンファレンスに参加することで得られる新たな知見、人脈、ビジネスチャンスなどの機会を探求する手段としても、Hopinを始めとする海外で話題のバーチャルイベントのトレンドは今後も注目していきたいと思います。
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