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「はやぶさ3」は危うい?

小惑星「りゅうぐう」を探査していた日本の「はやぶさ2」が、地球帰還に向けて出発しました。2度の着陸成功だけでなく、世界で初めて人工クレーターを作って天体内部の物質を採取するなど、独自の探査技術で日本の存在感を高めました。

しかし、その後継計画など日本独自の宇宙開発が難しくなるのでは? と警鐘を投げかけるのが下記の記事です。

初代「はやぶさ」がいくつもの苦難を乗り越えて地球に戻ったのを覚えている方も多いと思います。はやぶさ2もそのことで世論の理解を得ることができましたが、それまでは予算がつかずに実現に苦労したようです。

巨額の費用を必要とする宇宙開発にとって、世論の後押しというのはとても大事です。アメリカのケネディ大統領が1960年代に人類を月に送ると宣言し、実現したアポロ計画も、冷戦時の米ソの宇宙開発競争の中で、世論が大きく盛り上がったからこそ実現できたといいます。

日本の場合、宇宙探査で大きな成果を上げながら、予算の制約でプロジェクトを継続できずに成果を生かせなかった苦い経験があります。歴代はやぶさの成功や、42年前に打ち上げられたアメリカの惑星探査機「ボイジャー2号」が太陽系の外に出たニュースなど宇宙への関心が高まるいま、日本の独自の強みがきらりと光る生きる道を見つけてほしいと思います。

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