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海外デジタルノマドは増えるのか?

発想力を育む海外デジタルノマド

日本で働きながら、世界中の好きな都市で暮らすように旅をしたい。旅行好きな人だったら、誰もが1度は思い描く理想の働き方ではないだろうか。

日本経済新聞の記事では、『Z世代はデジタル遊牧民に』というタイトルで、実際に日本で働きながら、屋内外のさまざまな拠点で定住地を持たずに働く人々が紹介されている。

私が評議員を務める一般財団法人ひらめき財団の代表理事も、海外デジタルノマドの1人だ。ドバイを本拠としながら、国内外でいくつもの企業を経営している。そのドバイでも定住地を決めず、定期的に家族で引越しをしているミニマリスト&ノマド・スタイルを楽しんでいる姿をみて、こういう方が独創的なアイデアを生み出すクリエイターなのだなと感心させられる。
ゴーゴーカレー 宮森社長の言葉に「発想力は移動距離に比例する」という言葉があるが、海外デジタルノマドのライフスタイルは発想力を育むのに適していそうだ。

海外デジタルノマドの主軸は日本か、海外か

もう8年ほど前になるが、東京で働いているときに出会った米国ITスタートアップで働く日本人女性も海外デジタルノマドだった。本社はシリコンバレーにあるのだが、彼女自身は日本やパートナーの住むボストンにいることが多く、働く場所も住む場所も自由だった。

もともと、テレワークも欧米ではコロナ前から導入されていることが多く、導入率もコロナ前の時点でコロナ禍中の日本よりも高い水準だった。そのため、テレワークを活用した新しい働き方は比較的早く広がった。
尚且つ、英語さえできれば仕事ができることから、国境をまたぐ採用・就職が数多くあるため、母国に帰省中にも働ける仕組みに対する抵抗感は少なかった。どちらかというと、母国にいても変わらず働けるというのは、採用時の大きなインセンティブとしても機能した。
こういった背景もあって、海外デジタルノマドは欧米で広まった。

さて、それでは日本ではどうかというと、一部では日本で働きながら、海外で暮らすというのもありそうだが、それよりも海外で働きながら、日本でも暮らせるというほうが先に普及しそうだ。もともと、海外で広まっている働き方であるのならば、インバウンド需要の一環として取り込むこともできる。加えて、歴史的円安とアジア諸国の経済成長の影響で、日本にいながら海外で稼ぐスタイルのほうが経済的合理性に優れている。

また、日本のテレワークの普及率の低さを鑑みると、海外デジタルノマドは日本では個人事業主や一部のスタートアップ企業や企業経営者の間で留まるようにも思われる。
企業の新しい働き方の1つとして取り入れられることは、数えるほどしか出ないのではないだろうか。

ただ、海外デジタルノマドという夢のあるライフスタイルは実現可能なものだ。旅行好きの憧れるライフスタイルとして留めるだけではなく、人生を豊かにする形の1つとして、多くの人に挑戦してもらいたい。

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