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アウトプットのためのネットワーク化された思考とアイディアの情報整理メモツール〜Roam Research(ロームリサーチ)

新型コロナウィルスと向き合う日々が続き、8月も終わりを迎え、これまでの半年間を振り返ってみようとしている人もいるかもしれません。この6ヶ月、どのようなことを考え、行動し、どのような新しい習慣を取り入れたか、少し立ち止まって考えてみようと思っていた中、今回ご紹介したいツール、Roam Research(ロームリサーチ、以下"Roam")というウェブサービスに出会いました。

*こちらのブログ記事で初めてその存在を知りました↓
情報過多時代に必要な知識の整理を始めよう

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Roam Research のシンプルなウェブウェブサイトにはタグラインとして『ネットワーク化された思考のためのノート・ティキング・ツール』と紹介されていて、少し利用してみて強く「なるほど」、と感じるものがあります。

A note-taking tool for networked thought.
As easy to use as a document. As powerful as a graph database.
Roam helps you organize your research for the long haul.
ネットワーク化された思考のためのメモを取るツール。文書のように簡単に使うことができて、グラフデータベースのようにパワフル。Roamは長期的に研究を整理するのに役立ちます。)

Roam サービスは2019年秋くらいからベータ版で一部のコアな利用者で使われていて、今年の6月上旬に有料サブスクリプションプランをスタートし(月額15ドル/年額165ドル/5年間500ドル)、たった6週間で100万ドルの収益を獲得し、熱狂的なファンが次々口コミで利用を始めている、と言われています [参照:Google Trend]。

ノート・メモサービスといえばEvernoteなどが定番で、そして最近では新しく登場したサービスのNotionなども話題になってますが、Roamが特徴的な点は、ランダムに毎日のメモスペースに記録する情報に、ハッシュタグのような[[キーワード]]を段落内に挿入しておくことで、その[[キーワード]]をクリックすることでそれまでに[[キーワード]]を含んだ自分のメモを全て俯瞰的に閲覧できる点にあります(Bi Directional Links = 双方向リンク)。ぜひ以下の25秒のデモ動画をご覧ください↓

シンプルなアイディアのようにも見えますが、自分が記録したキーワードがこうしてネットワークとしてリンクすることで、自分が体験したこと、読んだ記事、本、観た映画、聴講したセミナー、授業、参加したミーティング等などからの気になったアイディア、参照リンク、画像等を残しておくことができて、相互に関連付けながら思考を深め、整理することができます。

例えば以下のような使い方も可能です(まだ使い始めて1週間ほどなので使用例のほんの一部と思われますが)。

・記事、レポートなどを書く際に関連する[[キーワード]]を添えてリサーチした情報を後で見返しながら整理をするこができる。
・毎日のジャーナルとしてその日やること、その日の振り返り、考えたランダムなアイディアなどを1つの場所で記録し、後日ランダムなアイディア思考を関連付けながら振り返りに活用する。
・「TODO」を左側のショートカットに作成しておくことで、期限が過ぎた「TODO」項目もコピー&ペーストせずに一元管理が可能。

情報過多時代において、あちこちに書いたメモ、実際に読んだり、後で読もうと思っていた記事のブックマーク、本を読んだ時のハイライトやコメントなどが、実際に見返しされないまま放置されていることに、とてももったいない、と思っていただけに、Roamによる過去の情報・アイディアの「点と点をつなげうる」機能にとても可能性を感じています。

例えば、電子書籍のKindleで読書した際のメモとハイライトをKindleが提供する専用サイト『メモとハイライト』(https://read.amazon.co.jp/notebook)で簡単に閲覧が可能なことをご存知でしょうか?実は以下の記事で最近初めて知ったのですが、リンクをクリックしてみて、7年前に初めてKindleを利用し始めた頃からのハイライトとメモを全て簡単に閲覧できることに驚きでした。例えばこうした過去のハイライトやメモしたテキストをRoamにコピー&ペーストし、[[キーワード]]を追加しながら再度整理することも可能です。

実際Roamは国内でも一部のコアな利用者の間で話題になり始めた段階のようで、英語のサイトも含め、使い方に関するチュートリアル(解説)コンテンツも限られていて、誰にとってもオススメできる段階ではないかもしれません。とはいえ、Roamの日本語での公式ツイッターアカウントでは参考になりそうな情報、解説コンテンツが随時紹介されているので次第に利用者が拡がっていくのではないかと感じてます。

▶Roam Research 日本語公式アカウント: @RoamResearchJP  [英語アカウント@RoamResearch]
▶日本語ハッシュタグ:#Roam部
▶英語コンテンツとしては以下の動画などがとても分かりやすかったです(生産性向上アプリの紹介などで人気YouTuberのAli Abdaalさんによるもの)

▶本格的に学びたい方向けの有料オンラインコースも存在します。
Effortless Output in Roam (Nat Eliason) 
https://www.effortlessoutput.com/

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以上、今回はRoam Researchについてのご紹介でした。実は4ヶ月前にNotionに出会いとても便利、と感じていただけに、また新しいものに飛びついてしまうのでは、という懸念もありました。実際、使用してまだ10日ほどですが、Roamは日々のフローの情報をジャーナル的に取り込んでおく場所として利用し、Notion は整理された情報を自分のPC内のダッシュボード&リンク集的に今も毎日利用しています。Roamは利用すればするほど思考のネットワークが相互にリンクすることで価値が増すのでは、と期待しつつ、同時にサービス改善も進み、日本語でのチュートリアルコンテンツも増えることが予想されます。いずれ数カ月後にどのような使い方の変化、そしてアウトプットの変化が生まれているか、改めてレポートしてみたいと思います。

Photo by Matt Ragland on Unsplash

過去参考記事:



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市川裕康 (メディアコンサルタント)
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