「何をするか」と「誰とするか」はどっちが大事?その比重の違いと、価値観についてのパワーポイント。
「私とあの子どっちが大事なのよ!」
マンガで聞いたようなセリフだが、実際に言われたことがある人はどのくらいいるのだろうか。
ふと気になって、Twitterで聞いてみた。
「僕のことをフォローしている人」という一般性のカケラもないデータだが、どうやら3割程度の人が冒頭のセリフを言ったか、言われたことがあるらしい。
意外と多い。
どうやらこの状況は、マンガの中だけの話ではないようだ。
(幸か不幸か)僕はこのセリフを言ったことも、言われたこともないが、本音を言えば「言いたくなったこと」はある。
ただその度に、
「それって5W1Hによるよな」
と考えて飲みこむ。
飲み込んだ分だけモヤモヤは募るので、例によってパワーポイントで整理してみた。
今日はそんな話。
■あの子と比較する私のWhatは何か?
5W1Hは説明するまでもないが、一旦図にしておく。
すべての状況には、この5W1Hが紐づいている。
誰かと会うにしても、
・いつ会うのか
・どこで会うのか
・誰と会うのか
・会って何をするのか
・なぜ会うのか
・どのように会うのか
この6項目が存在する。それに対して、
「私と◯◯さん、どっちが大事なのよ!」
という冒頭のセリフは、そのうちの1項目のみに焦点を当てて比較しようとするものだ。
実際にどちらかを選ぶ場合、そこには「状況」が存在する。私と◯◯さん、を比較するなら「私の何(What)」と比較するかを、明確にする必要がある。
■コンサート VS カフェ
ここからは、先日の飲み会で20代の社員Aくんから聞いた実際のケースで考えてみよう。
Aくんは異性の後輩からずっと行きたかったコンサート(=What)に誘われた。しかし同時に、同棲中で8個上のパートナーであるBさんから「今日暇だから近所に新しくできたカフェでお茶(=What)しない?」と誘われてしまった。
結果的にAくんは異性とのコンサートを選択し「そっちの子の方が大事なのね」とBさんの機嫌を損ねさせてしまったらしい。
この話を聞いた時、飲み会は少し荒れた。
「そりゃコンサート行くよね。わかるよ。」
と言うAくん擁護派が多かったが、
「あり得ない。私だったら行かない。」
と否定派もいた。
前者にはAくんと同世代が多く、後者には私と同世代(40代前後)が多かったのが印象的だった。
■WhatとWhoの割合と価値観
仮に前者をWhat重視派、後者をWho重視派と呼ぶ。
(ちなみに「異性とコンサートなんて、きっと下心があるはずだ!」という疑いは Why の話が混ざってくるので、一旦は考えない)
AくんとBさんの価値観を比較すると、こんな感じかもしれない。
コンサートに行ったAくんは、パートナーであるBさんを大事にしていないわけではない。
実際、「仮にその日、彼女と前から決まっていた予定があったらコンサートは断っていましたよ」と言っていたので、Whatが6、Whoが4程度の価値観としてみる。
Bさんの割合は分からないが、「自分が同じ状況だった場合は、Aくんとのカフェを選ぶ」と言っていたらしいので、Who重視派とする。
この話を聞いてから、僕は飲み会で「自分はWhat重視派とWho重視派どっちだと思いますか?」というトピックを投げ込むようにした。
すると見事なまでに、年齢による傾向値が表れた。
■Whatを経て、Whoに至る
この結果も自分の周囲だけなので、一般性のカケラもないが、(僕の周囲では)年齢が上がるにつれ、Who重視派が増えていった。
その意見の多くが「Whatは既に色々経験して、Whoの大切さに気づいた」というものだった。
そう言えば最近、Twitterで「色んな人とご飯に行ってわかった。どうでもいい人と食べる高級料理より、好きな人と食べる牛丼の方が美味しい。これが人生の本質。」的なツイートを見かけた。
そう言った意味では、Who派になるかどうかは年齢差と言うより、経験差かもしれない。若い人にWhat派が多かったのも、経験しているWhatが少ない分、Whatを重視する(Whoを軽視する)傾向があるだけかもしれない。
ただ、あるWho派の1人は、What派のことを「まだ本質が見えていない若者」とこき下ろした。そこだけを切り取ると、Who派は本質が見えている人というより、「新しいWhat」を望まなくなってしまった隠居老人にも思えた。
■新しいWhatと新しいWho
確かに今年40歳になる僕も、徐々にWho派になっている感覚がある。目先のキラキラしたWhat(何か)よりも、落ち着くWho(誰か)と過ごしたいと考えることがある。
一方で「新しいWhatを望まなくなる」という自分の感覚に対する危機感もある。
Who重視派になることで「いつものWho(メンバー)」が固定され、結果的に「いつもと同じWhat(コト)」を繰り返すなら、Who重視派にはなりたくない。
新しいWhoが必要なくなっても、いつもの固定されたWho(メンバー)で、いつでも新しいWhat(経験)をしようとする。
馴れ合いのWhoではなく、刺激し合える関係のWhoがいたら素晴らしいことだと思う。
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