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記者の質問に思うこと「それ、今聞くこと?」

自民党総裁選の出馬会見について全員全部ではないが、なるべく見るようにした。
気になったのが、候補の話以前に、記者の質問内容が「それ、どうでもよくなくね?」みたいなものが多かったということである。

この質問はそれを通りこしてもはや呆れたものだが。
自分だけが聞きたいことをさも「みんなが聞きたがっている」などと枕詞つけるあたりがもう愚かすぎる。

もちろん、物価高対策みたいなのは質問されてはいたが、賃上げが実現されつつあるみたいな通り一辺倒のやりとりしか引き出せていない。年金世帯や低所得者の救済みたいなことは相変わらず言うが、本当に手当をすべきところはそこだけなんだろうか。

そうじゃなくて、一番疲弊しているのは中間層の現役世代であり、疲弊の原因はまさに「手取りが増えない」問題で、手取りが増えない最大の問題は国民負担率ばかりがあがっているからであり、社会保険料負担の話とかもっと突っ込んでもらいたかった。そして、それに触れるのであれば、財源とか年金制度の話や介護制度って本当に崩壊しないの?とか新たな負担としての子育て支援金とか悪手でしょ?みたいな話にも触れることになるのだが、そういう「現役世代の中間層にとって一番重要な部分」についてのやりとりは記憶的にほぼなかったように思う。

印象的には「政治と金」の話や「選択的夫婦別姓」の話とかが多かったように感じる。

記者またはその記者の所属するメディアにとっては、「政治と金」や「選択的夫婦別姓」は「とっても重要なこと」かもしれない。まあ、だったらそれはそれでいいのだが、世の中の人の本当の関心事とズレてないか?と思う訳である。

「政治と金」や「選択的夫婦別姓」がどうでもいいと言いたいのではないが、それ以上に「現役世代の負担が大きい社会保障制度どうすんの?」って重要なことでは?


そう思ってふとつぶやいた私の以下のポストが大いにバズった。

概ね私と同じ感想を抱いた人が多い(相変わらず意味不明なクソリプもあるが…)。
特に「社会保障制度」については、今のまま放置していいと思っている国民は少なく、いずれにせよ見直ししないといけないんなら早くやれよと皆が思っていることだろう。しかし、びっくりするほと、この点について触れるメディアがいないのだ。

政治家もこの件を大きく言う人間は少ない。総裁選の候補者でも、真正面から言っていたのは小林鷹之氏くらいなものだろう。

しかし、いい加減ここを「見て見ぬ振りしてスルーする」のは限界に来ている。

9/13には、閣議で高齢社会対策大綱も決定されている。

どう逆立ちしたって高齢者人口比率は増え続けるわけで、高齢者はいつまでも支えられる側ではいられないことは明白。とはいえ、65歳以上でも元気に働きたい人もたくさんいる。高収入や高資産の老人もたくさんいる。
一律に年齢による自動すみ分けではなく、動ける人・動けない人、金を稼ぐ人・稼げない人などによっての応分にしていくべきだろう。

何度も言うが、昭和の高齢者は今より働いていた。働かないと生きていけないから、というよりも、働くことが生きるということでもあったのだと思う。


13日には総裁選の合同記者会見も行われた。

こうした文字起こしは多分に各メディアの(思想による)切り取りがあるので、なるべく動画でそのまま見ていただいた方がよくわかると思う。

そんな中で、失礼ながら個人的に今までまったく注目してこなかった茂木氏だが、一番いいことを言っていた。彼は「増税ゼロ」を掲げている。

国民の間にはまた負担増があるのではないかという不安がある。こうした不安を解消することが政治の役割。古い財務省的な体質から転換し、負担増への国民の不安を解消する。

「増税なき経済成長」を唱える政治家もいるんだな、と。

もちろん、政治家の言葉なのでそのまま受け取っていいというものでもないが、ホント肝はこの「不安の解消」なのである。不安が多いから国民は消費をしない。そういう感情というものを過小評価してはいけない。

是非、茂木氏には総裁選の結果は別にして誰が総理総裁になろうとも次期財務大臣として「なんでも税金や社会保険料を取ればいいってもんじゃない」と財務省官僚と対峙し、腕を振るってもらいたいものである。

前のような「経済バカ殿」だけは勘弁してほしい。

ちなみに、自分は自民党の党員・党友でもない。特定の政治家の政策に対して賛意や反対意見を述べることはあっても、それはその人への支持や不支持とは関係ないし、ましてや誰かの信者でもない。


長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。