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アーティストとサブスクについての話

「サブスクは悪」なんて短絡的な話は、自分は決してできない。CDを作って店に置いてもらうのには金がかかるけど、サブスクやサンクラ等なら誰でも(理論上は)曲をあげて平等に聞いてもらえるし、昔よりも「民主的」になったともいえる。TikTokやSpotifyプレイリストで一発有名になることだって可能。けど、

ストリーミングだけでは普通のアーティストは収入にならないというのは事実。で、実際はアルバムや曲を作ること自体がアーティストとしての音楽性を知ってもらうきっかけ、つまり「投資」になっている。そもそもアーティストがせかせか金を稼がないと生きていけない社会自体が、音楽にとっての根幹の問題だ。

別にこれは解決策があるわけではなくて、じゃあNFT作って売るとか、グッズ売るとか、ツアーしまくるとか、色々あるわけだけど、ほとんどのアーティストの生活はみんなが思ってるほど決して裕福なものではないし、ちょっとした支えも金銭以外で精神的な支えにはなります。

特に比較的大規模アーティスト(というか「人気アーティスト」として売り出されている人)は「CDの売れ行き」でいまだに「人気度」を図られていたり、そもそもCDからの収入もさしてあるわけでもないのにCD販売に人件費を費やしていたり、そもそもの構造がバグってるだけの話でもある。

でもライナーノーツ書いて、リリック書いて、アーティストのディレクションに関わって、アーティストたちとそのチーム(彼らが重要)の裏の努力を直接何年も見てきて、やっぱりCDとか現物には愛がこもってるし、買ってほしいな〜とは思います!

CD全盛期時代だったらどんなアーティストでも稼げるかと言ったらもちろんそんなはずもなく、逆に言えば今は誰もが「平等に」サブスクにアップロードできるから競争が目に見えて激しくなっただけで、アーティストとしてファンにどうしたらお金を落としてもらえるのか、クオリティを維持する必要は同じ。

ていうかそもそも大前提として、CDかサブスクかなんて関係なくて、「音楽にお金を出す余裕」が社会にあるか無いかっていう話に行き着くのでは?というのも考えなければいけない観点だ。

ここまでくると、資本主義と教育と政治の話にもなってくる。

最後に、CDとサブスクの話に関しては、starRoさんのこの記事を読んでほしい。 「CDは延命治療を持ってしてもその販売規模が激減していった。その中でできるだけ収益を上げるためには、これまでの経験則に基づいて自分たちのコントロールで確実に売れる音楽に走るようになる。」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFK303W40Q1A330C2000000/


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