リサイクルを考える〜②紙おむつも再生する時代へ
ユニ・チャームが使用済み紙おむつを回収し、パルプを再生して再資源化技術を完成した、そうです。地方自治体や病院、保育園や介護施設にとって、大きな問題である“ゴミ”が売却可能な分別回収対象となり、再生が可能となる!という画期的な話。
ゴミが大きく減るだけでなく、再生紙おむつやティッシュペーパー、建築資材やペット用おしっこシートなどになる、といいます。リサイクルもここまで行くと、本当にすごいことだと思います。リサイクルできるものは、それなりのものであるとの固定観念が打ち破られ、汚物が再度製品になる不思議。ここまでいけば、リサイクルできないものなんてないんじゃないか、という気にさえなります。
捨てる側の変化もそうです。これまでは“嵩が大きく、汚いゴミの山”がわずかなお金かもしれないが売却できるものになる、としたら、すごいことですよね。焼却しなければならなかったゴミは、焼却することで温室効果ガスを出す元凶にしかならなかったのだから、経済的にも環境面からも、プラスの効果が大きくなります。
では、消費者としてはどうでしょうか。導入当初は価格設定が重要な鍵にはなるんだろうと思います。まったく新しい製品と再生商品であれば、再生商品のほうの価格が明らかに低い設定でなければ、なかなか選ばれるものではないからです。そこで、新しい製品にはリサイクルする際に必要となる工場の維持設備費用を上乗せして、価格設定する、というような工夫が必要ではないかと考えます。もっとも病院などが使用することで衛生面の保証がなされると見れば、価格設定とともに多くの割合が再生品になるでしょうから、新製品と再生品を分別した表示が必要でなくなる時期が、そう遠くなく来るかもしれませんが。
いずれにせよ、ここまで進んできたリサイクル技術。一般的に身の回りに溢れて来れば、自然と3R(リユース、リサイクル、リデュース)が進みます。サーキュラーエコノミーへ、と気張らずとも、企業努力でゴミが再生するようになる、つまり、製品が勝手に移り変わる時代がそこまで来ているのです。(続く)