ドイツとアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の関わりとは
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ドイツとアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の関わりとは

Kataho@フランクフルト

アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』における意外と知られていないドイツとの関わりやドイツのファン事情について今回はまとめてみたいと思います。

日本テレビの『金曜ロードショー』で特別編集版と劇場版の「外伝」が放送されることで、再び注目を集めています。ちょうどよい機会だと思いました。

ドイツでプレミア公開された『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』

TVシリーズの『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は日本では2018年1月に放送が開始されましたが、前年の2017年に「ワールドツアー」としてアニメファンが多く集まる世界の主要イベントで上映会が開催されました。このとき、欧州エリアのプレミア上映会に選ばれたのがドイツのマンハイムで開催されるアニメイベント「AnimagiC(アニマジック)」でした。

アニマジックの公式サイトによれば、2017年8月5日の上映会ではTVシリーズの第1話が上映され、日本から石立太一監督と主題歌を歌ったTRUEが名誉ゲストとして参加しました。上映会後には監督に質問できるQ&Aパネルも実施され、ファンとの交流を楽しんだと思われます。もちろん、TRUEによるライブ・コンサートもあり、これがドイツ初ライブになったとか。

石立太一監督は翌年2018の夏にもこのドイツの「アニマジック」に名誉ゲストとして招待されています。この年には、主役ヴァイオレット・エヴァーガーデンを演じた声優の石川由依さんも参加し、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』に関するスペシャル・パネルやサイン会が行われました。

そして、2019年には、このドイツの「アニマジック」の会場で、劇場版『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝』の世界プレミア上映会が開催されました。この年は石川由依さんとTRUEが再び招待されています。

動画サイトには来場者が撮影した開会式でのTRUEのステージのもようと思われる映像が投稿されています。この映像が実際に開会式のものであれば、8月2日です。同年7月にあの悲惨な放火事件があったことを考えると、わずか数週間後の出来事です。(関係者やファンの悲しみを想像するだけで、今でも胸が痛みます。。。)


映画「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝」のロケハンはドイツ

さて、2018年のドイツの「アニマジック」への参加は京都アニメーションにとって、特別な「裏任務」があったようです。それが取材ロケです。『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は、ヨーロピアンな世界観にドイツっぽさを見出す方もいると思います。劇場版の「外伝」に関しては、まさにドイツを参考にしたようです。

ベルリン在住のメディアコーディネーター「mariko kitai@ベルリンスタイル」さん(Twitter)によるブログ「ベルリンスタイル」では、この劇場版のためにドイツで実施されたロケハンのもようが書かれています。

アニメ制作に関わる総勢20名以上のスタッフが3チームに分かれて、ニュルンベルクやコッヘムの町を撮影してまわったそうです。(この機会にぜひ読んでみてください)

ロケハン場所が分かれば訪問したくなるものです。それがアニメ聖地巡礼なわけですが、実はドイツのファンたちが詳細に調べ上げた「アニメ聖地巡礼レポート」がオンラインで公開されています。(以下の画像はレポートの一部のスクリーンショットです)

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こういった有志のファンによる先達としての情報は、実際にアニメ聖地巡礼をしようとする後続のファンにとっても非常に有用だと思います。あの城やあのホール、階段を見てみたいと思うファンもいることでしょう。

ただ、日本からドイツを訪問する場合、本稿を執筆時の11月4日時点でも、往来には制限が課されている状態です。ただし、日本政府による水際対策については、緩和の方向で随意進展(以下の記事を参考)があるようなので、見通しは明るいと行ってよいのかもしれません。


ドイツでも愛される『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のハイクオリティなアニメ聖地巡礼レポートを作成してしまったドイツのファンですが、作品がドイツでも愛されているなと思うことは他にもあります。

例えば、今年の夏にはドイツの大型アニメファンイベント「Dokomi(ドコミ)」(開催地・デュッセルドルフ)で『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の痛車を見かけました。


コスプレはドイツのアニメイベントでもよく見かけます。ドイツには『Cohaku』というコスプレ技術の専門雑誌がありますが、昨年はヴァイオレット・エヴァーガーデンのコスプレが表紙を飾っていました。

あとは、こちらのコスプレ動画でしょうか。ドイツの町並みを背景にドイツ人たちが出演した映像はチート級のレベルといっても過言ではありません。

このコスプレ動画に関しては過去のCOMEMOでの投稿で、インタビューしたことがあります。よかったら合わせて読んでみてください。

海外展開のユースケースとしての『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』

最後に少しだけ。海外でアニメが大人気!といえば簡単、単純に聞こえるかもしれません。しかし、こうして『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』に関してドイツとの関わりを眺めてみると、ロケハンを含めた制作段階からのドイツとの関わりがあり、現地イベントがプロモーションの場として活用され、作品が現地で販売、配信され、その結果として、コスプレや痛車、アニメ聖地巡礼というさまざまなファン活動が発生していることが確認できます。

前半を経済またはビジネスの側面であると見れば、後半は文化、社会の範疇とすることも可能でしょう。アニメの海外展開と一口に言っても様々な視点がありそうです。こういった海外展開の奥の深さがユースケースとしてもっと広く知られることで、身振りだけの「海外展開」がより実のあるものになるのかもしれない。。。

と筆者は思ったのでした。おしまい。

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タイトル画像:ドイツの家電量販店で販売される劇場版『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のブルーレイディスクの写真。(筆者撮影)

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Kataho@フランクフルト
日独文化交流家(日本ポップカルチャー) ドイツ、フランクフルト在住。日本のポップカルチャーを通じたドイツでの文化交流を支援しています。活動での「気づき」や日々の情報収集で感じたことをドイツからお届けします。 https://twitter.com/sakaikataho