これから日本のエネルギー産業は激変します。どう変わるか、ここまで予想がつかない時代はこれまで無かったでしょう。例えば長期的な電力需要想定などは簡単で(といったら怒られるでしょうが)、基本的には電力需要の伸びとGDP成長率はほぼ相関関係にあった訳ですが、これから世界が経験したことの無い人口減少=需要縮小の一方で、大幅な低炭素化と言う世界的な潮流とそれに後押しされる形で進む「EV化」に象徴される電化=需要増大のように、需要想定すら困難になっています。いま述べたようなことも含めて、日本のエネルギーの今後に影響を与えるトレンドは、大きく5つに整理できると考えています。Depopulation(人口減少)/Decarbonization(脱炭素化)/Decentralization(分散化)/Deregulation(自由化)/Digitalization(デジタル化)です。

2050年の日本が、エネルギーの問題で悩むこと、窮地に追い込まれることの無いよう、一瞬も途切れることが許されない「インフラ中のインフラ」である電力の供給を維持しながら、非連続な変化を起こしていかねばなりません。再生可能エネルギーや蓄電技術のコスト低下、非接触充電や自動運転などの技術進歩に加え、重要な低炭素電源である原子力発電をどうするかも課題です。適切な規制緩和とインセンティブ付与などの制度設計、シェアリングエコノミーなど社会の考え方の変革も伴わねばなりません。無数にある落とし穴を避け、2050年に良い未来を遺せるか。これからが正念場です。

www.sankei.com/smp/column/news/180130/clm1801300004-s1.html

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