未来を予測する方法としてのSF小説
エコノミストの最新号では不明瞭な未来を予測する特集として「The World If」という、「もしも世界がこうなったら」、というシナリオ・プランニング的な特集を紹介しています。面白いアプローチですね。
例えば以下のようなシナリオが紹介されています。
①もし米中が南シナ海で衝突したら
②もしアメリカがNATOを離脱したら
③もしエジプトが崩壊したら
④もしロボットが全ての仕事をしなかったら
⑤もしアメリカが富裕税を導入したら
⑥もしフェイスブックが欧州で遮断したら
⑦もしアンチバイオティクス(抗生物質)が効かなくなったら
⑧もし地球工学が自分勝手な行動をしたら
⑨もし同盟国が1919年により寛容だったら
そして今回の特集を紹介する記事では予測不能な未来を楽しみながら考えるきっかけとして3つの方法を紹介しています。夏休みの読み物として、と触れられているものの、骨太な内容が続きます。
①シナリオ・プランニング
②SF小説
③企業における人類学やトレンド探し
そんな中、気になったのがSF小説です。
しばらく前に話題になっていた中国のSF映画『流浪の地球』(原作小説の著者:劉 慈欣)は中国国内で記録的な大ヒットとなり、既に日本国内でもネットフリックスで配信されているそうです。太陽の膨張によって危機に瀕した地球に巨大エンジンを建設し、地球ごと移動して太陽系から脱出するというスケールの大きな話です。
『流浪の地球』著者の劉 慈欣氏による人気の『三体』の邦訳版がちょうど昨日出版されたこともあり、自分の中ではいくつかの点と点がつながって強く興味を抱くきっかけになりました。
政治、経済、安全保障、そしてテクノロジーの分野でも話題に事欠かない中国、そのこれからがどうなっていくかを考える際、こうしたSF小説にヒントが隠されているような気がします。政治的な弾圧や言論統制がありながらも政府としても科学技術の振興を後押ししたいからなのか、ここ最近の中国のSFブームを統制社会に対抗する草の根の力として評価する声もあがっています。
今回のは上記小さな記事がきっかけでしたが、ネットフリックスの映画や小説にもこの夏挑戦してみたいと思わせてくれるものでした。
以前に書いたこちらもよろしければご覧ください:)