斜陽産業は工夫すれば成長産業になる
今日は、「市場の捉え方」をテーマに書いていきます。
マーケティング戦略を考える際に、参入する市場を考えることがあると思います。
みなさん、どうやって参入する市場を選びますか?
多くの場合は「市場規模」で判断するのではないでしょうか。
規模が大きくて、成長している市場に参入することを考えるのが常識です。
規模が大きければ良いわけではない
常識と反して、自分はこのように考えています。
なぜか?
規模が大きくて、成長率が高い市場は、競合が多いこと間違いなしです。
市場がわかりやすく伸びているところには、みんな飛びつきます。
そのため、よく言われる言葉だと「レッドオーシャン」になります。
大きい市場があったとしても、競合が多ければ消耗戦になってしまいますよね。
斜陽産業にこそチャンスがあるのでは?
市場の捉え方の発想を変えてみましょう。
斜陽産業という言葉が使われます。
この市場は斜陽産業だから・・・要は市場規模が年々下がっているからポテンシャルが低い・・というネガティブな意味で使われるケースが多いです。
その産業に属する業界は、廃業率が高く、このまま産業自体もなくなるリスクがあるのではないか・・・と言われたりします。
koe donuts(コエ ドーナツ)の事例に見習いたい
earth music&ecology アースミュージック&エコロジーを展開するストライプインターナショナルの社長である石川さんの本を読んでいます。
こちらの書籍の中で、石川さんの市場を捉える視点が興味深かったのでご紹介します。
Koeというドーナツ屋をつくったエピソードが紹介されていました。
引用します。
ところで「なぜ、ド ーナツなのか ? 」と疑問を抱く人もいるかもしれません。理由はシンプル。じつはいま、ド ーナツ市場は右肩下がりだからです。
「新しいビジネスモデルを確立しないと活かせない領域 」を狙い 、ビジネス化に向けてさまざまな検討を重ねました。そこで生まれたのが 、「オ ーガニック 」 「天然由来 」「地産地消 」をコンセプトに素材を選ぶことでした。「 k o e d o n u t s 」は、 M B A理論で確度を上げて、ア ート思考で勝負したビジネスモデルなのです。
みんなが 「成り立たない 」と思っているのなら 、むしろビジネスチャンス。マイナス要素をプラスに転換すればいいだけの話です。小麦粉のグルテンが嫌われるのなら、米粉に変える。カロリ ーが高くて嫌なら 、玄米油を使う。白い砂糖が不安なら、希少糖や和三盆を使えばいい … … 。このように 、徹底的に不安要素を排除し 、 「オ ーガニック 」 「天然由来 」 「地産地消 」といった 、いまの時代にお客様から共感してもらえる素材を調達しました 。
コエドーナツはこちら↓
斜陽産業は工夫すれば成長産業になる
斜陽産業をネガティブに捉えるのではなく、ポジティブに変換する発想をもてると、市場を選ぶ際の選択肢が広がると考えています。
良い仕掛けをしているマーケターやマーケティング力に優れた企業は、斜陽産業に目をつけています。
例えば、銭湯という斜陽産業の中でユニークな活動をしている小杉湯は良い例です。
↓
家庭用石油ファンヒーターを販売し続けて成功しているダイニチ工業も良い例です。
人気がなくなっていると思われている石油ファンヒーターですが、隠れたニーズがあることに目をつけ、その領域でナンバー1になる戦略をとっています。
まとめ:市場を規模だけで判断しないこと
市場を選定する時に、規模だけで判断したら失敗します。
大切なのは、規模ではなくポテンシャルです。
そして、その市場のポテンシャルは自分自身のアイデアでいくらでも広げることができるわけです。斜陽産業と言われていても、その産業を成長産業にできる可能性はあります。
マーケター の心構え
・市場規模が大きくて成長率が高い方が良いとは限らない
・市場規模が小さくて成長していない市場にこそチャンスは眠っている
・市場ポテンシャルは自分自身のアイデアで変えることができる
この発想をもって、市場と向き合い、例えばSTP分析をすると、いつもとは違った視点が見えてくるかもしれません。
本日の日報は以上です。