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もしも結婚が3パターンから選べたら。

昨年の暮れ、選択的夫婦別姓の議論に急ブレーキがかかった。

これまでの夫婦のかたちを変えることに対する抵抗は、依然として根強い。

結婚とはこうあるべき。
夫婦とはこうあるべき。

私たちはいつも、1つの理想を基準に考えようとする。そして理想から外れたかたちを「どこまで許容するか」と議論をする。

じゃあもし、理想の形が3つあったらどうだろう。結婚の形が、3つあったらどうだろう。

そんな妄想をしながら、これからの夫婦やパートナーシップについて考えてみた。

今日はそんな話。

■どの結婚にするか、選んでください。

想像してみてほしい。
あなたは今、愛するパートナーとの結婚について考えている。

そんなパートナーと目下の話題は「どのタイプの結婚にするか」だ。

どのタイプの結婚を選んでも、世間から何か言われることはない。
どのタイプの結婚を選んでも、親族も友人も祝福してくれる。

そんな前提の、3つの選択肢。

ただ、それぞれに違いはある。その違いをメリットと捉えるか、デメリットと捉えるかはあなたたち次第だ。

具体的にA〜Cの選択肢を見てみよう。

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パターンAは、法的な家族関係であり各種の保障が手厚い。一方で同居が基本で、不倫や浮気に対する制約は強い。

パターンBは、法的な家族関係が弱く、税金や公的なサービスの保障面ではAより見劣りする。ただどちらか一方の姓を名乗る必要はない

パターンCは、法的な家族関係ではあるが、同居や性的な縛りは自由。一方で姓に関しては「年上の姓を名乗る」という縛りがある。


さて、あなたならどのパターンの結婚を選ぶだろうか。


繰り返しになるが、どのタイプの結婚を選んでも、世間から何か言われることはない。親族も友人も祝福してくれる3つの選択肢だ。

■名より実を取るか、実より世間を取るか

先ほどの選択肢について解説する。

お気づきの方は多いと思うが、パターンAは現在の法律婚をベースにした。次にパターンBでベースにしたのは、昨今注目されている事実婚だ。

もちろん、事実婚は法律婚に準ずる形となっているため、それが認められるかはもちろん、その他諸々もケースバイケースの判断が多く、一概に言えるものではない

なので表はあくまでも「事実婚を参考に考えた架空の図」と捉えてもらいたい。

では、パターンCで参考にしたのはなんだろうか。

それは、


養子だ。

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養子とはご存知の通り、親子関係を主旨としてつくられた制度。

だが、それを夫婦関係に応用するケースも実在する。

名乗る姓の問題以外に、養子を夫婦関係に応用する場合のデメリットとしてよく挙げられるのは、

・夫婦なのに親子関係になってしまうので、理解を得られがたい
・制度の悪用(財産目当てなど)を疑われるケースがある

などがあるが、その多くは世間体に関するもの。

逆に捉えれば、世間体さえ気にしなければ、養子は事実婚と同様に「結婚のかたち」になり得るということだ。

もし先ほどの前提のように、世間からは何も言われず、親族も友人も祝福してくれるなら、Cを選ぶカップルは増えるだろう。

名より実を取るか、実より世間体を取るか、という話になってくる。

■夫婦になりたいのか、家族になりたいのか

どのパターンの結婚を選ぶべきか、別の視点からも考えてみよう。

あなたはパートナーと「夫婦」になりたいのか、それとも「家族」になりたいのか?という視点だ。

先ほどの図では、どれも「家族」で括ったが、正確に言えば法律婚は「夫婦になる」こと。養子は「家族になる」ことだ。

夫婦は家族の一部で、事実婚は夫婦の権利に近いが、家族の権利とは少し距離があるので構造的にはこうなる。

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どうだろう?

大きな違いとして家族に人数制限はないが、夫婦には人数制限がある

人数に制限があるのは、一対一でお互いを所有し合う関係、独占し合う関係を前提にしているからだ。それ故に夫婦には同居の独占、性的な独占が権利として存在する。

もし、あなたが結婚に対してこうした独占を求めないのであれば、持つべき関係性はパターンCの家族だけでよい、とも捉えられる。

■理想のかたちはいくつ存在するか

最後に考えてみたい。

結婚とは、何のためにするものだろうか。誰のために、するものだろうか。

・親のため
・お金のため
・老後のため
・世間体のため
・家のため
・子供のため

僕はすべての理由があっていいと思う。それに理由は1つだけじゃないし、それぞれが重なり合っているはずだ。

ただその理由に「相手のため」「自分のため」は入っていてほしい。大切なのはやはりその2つ。結婚の時も、離婚の時も同じだ。

そして同居の有無や、不倫の可否、名乗る姓など、結婚にまつわるトピックス。それらが2人にとってのメリットなのか、デメリットなのかも大切にしてほしい。

同居がメリットになる人もいれば、デメリットになる人もいる。結婚だからといって、性的な関係を縛ることが正しいとも限らない。

僕は一度結婚して、離婚をした分、人よりそんなことを考えることが多くなった。もう一度結婚することがあるとしたら、それを丁寧に考えたいと思っている(本当は1回目の時に考えないといけなかったのだが…)。

そしてどんなパートナーシップの形も尊重する世間になったらいいと思う。

3つと言わず、人の数だけ結婚のかたちが存在する世界になれば、もっと結婚に前向きな人も増えるだろう。

■参考にさせていただいた記事
同性カップルの養子縁組についてのメリット・デメリット
(吉村行政書士事務所)
結婚ではなく“親子”になった2人に話を聞いた
(新R25)
パートナーシップじゃない!彼と養子縁組をするメリットとデメリット
(リザライ・マガジン)

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小島 雄一郎
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