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しんどくない、世界のPTA事情 シンガポール、インター編

PTA、子供の習い事、非営利団体での仕事などで役割分担は大変です。今年は学校のクラスマザーや非営利団体で日本の高校関係の役割もまわってきました。

しかし、世界のPTA事情はかなり違います。なぜなら、好きな人が好きなだけお金や人手を出すという仕組みだからです。PTAが好きな人は毎年ずっとやり続けています。PTAをするメリットは他のPTAや先生達と仲良くなれる、学校の情報を知ることができる、バッチをもらえる(たくさん集めていて、身につけている人も)などがあります。反面、信じられないくらいたくさんの英語のメッセージが来たり、学校の行事に参加してその場を取り仕切らないといけないなどがあります。

筆者撮影 ボランティアの数だけバッジが増えて、リスペクトされる文化。十くらいつけている人もたくさんいる

欧米系のインター校で今年初めて2人ペアのクラスマザーをしました。日本人でクラスマザーをする人は語学の問題からかほとんどいません。ですが、7年間ずっと同じ学校で、仲のよいアジア人のママ友がペアがいないからやって欲しいと頼まれ引き受けることにしました。彼女はずっとPTAをやり続けており、朝学校に行った日にも学校に通学する子供達のために交通ボランティアをしていて、頭が上がりません。今年は最後の小学生クラスでクラスマザーも最後ということで思い出になりそうです。

「あなたは何もしなくてもよいから、クラスパーティーの時にだけ来て、ボランティアを手伝ってほしい」と最初から言われていたのですが、ヘルパーも2人雇っている彼女が9割の仕事をやってくれています。何をすればよいか聞いても「パーティーの時に子供たちと遊んでくれたらよい」と言うだけなのです。今年は4クラス合同なので、PTAミーティングも大規模であり、オンラインで仕事の合間に出席をしたのですが、「出てくれて感動した」と褒めてくれました。日本だったら、出なかったら減点されるだろうけれど加点式なんだと感じました。

役割や金銭的負担を均等に分けようとしない

日本ではとにかくみんなで全体の仕事を均等に分けようとします。しかし、欧米ではお金を出したい人はお金を出し、人手を出したい人は人手を出し、両方出す人もいます。寄付に関してもかなり出す金額がばらけており、学校で決まっている上限額を寄付する人もいるし、全くしない人もいます。忙しく働いているからお金だけ出したいという人もいれば、時間はあるから学校に行って子供の様子を見たいという人もいます。出したい人が提供できるところで好きなだけ出す仕組みなのです。それでも一切、子供の学校生活には影響しません。

そして、ビックリしたことがあるのですが、クラスマザーを引き受けたアジア人の友達がペアと相性がわるいからという理由で早々にやめたりすることもありました。日本だったら、何があっても終わるまでは我慢するという文化なのにあっさりやめるという選択肢もあるのだと驚かされました。

日本人の間でもPTAをもっと楽しく、自発的にできる仕組みはないのかと感じます。実際に共働き家庭が増えてPTAがスリム化しているという報道もあります。

日本式でPDCAを回して改善改善をすればするほど次に引き受ける人はしんどくなるのもあります。非営利団体での仕事なども会計や事務局を引き受けていた時期もありましたが、大変過ぎるので外部に費用を払ってアウトソーシングしようという話も出ています。そういう工夫もあるでしょう。世界のPTAのように思い思いに、楽しみながらできるのもよいのではないでしょうか。

※写真はインドのディーワーリーパーティーの物で筆者撮影

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花輪陽子(FP@シンガポール、経営者、著者)
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