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「自分の老後は自分で守れ!」という国からのメッセージ

2021年6月、「経済財政運営と改革の基本方針2022 新しい資本主義へ~課題解決を成長のエンジンに変え、持続可能な経済を実現~」(骨太方針2022)が経済財政諮問会議での答申を経て、閣議決定されました。

その中で以下の日経の記事のように、年末に「資産所得倍増プラン」を策定し、少額投資非課税制度(NISA)の抜本的拡充や個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)制度の改革など、貯蓄から投資へのシフトを大胆に進めるための議論が出ています。

こうした状況の中、我々はどのように資産構築に向きあうべきでしょうか。

1.NISA/iDeCo利用の現状

金融庁のデータによると、2021年6月末時点でのNISA口座(一般・つみたて・ジュニア)の総数は約1,712万口座。現在日本の人口が1億2550万人であることから、NISA口座の利用率は13.6%にとどまっています。

個人型確定拠出年金(iDeCo)に至っては、2020年10月時点で加入者が175.6万人となり、全体の加入率(加入対象者数に占める加入者の割合)は2.6%だそうです。

低い。
あまりにも低すぎます。

2.日本人のマネーリテラシーの低さ

NISAもiDeCoも、国が用意した税制優遇が受けられる制度。日本では投資における利益の20.315%が税金として取られる中、一定の条件のもと非課税になるというのはメリットでしかありません。

なぜこんなに利用率が低いのでしょうか。調べてみたところ、NISAのメリットではなく「デメリット」を説いているサイトも多いようであり、その多くで「元本割れをする可能性がある」と述べられています。

元本割れを極端に嫌うのは、日本人の特徴であると言われて久しいですが、「貯蓄から投資へ」と声高に叫ばれたアベノミクスから数年経った今もなお、大半の人が元本割れを恐れて投資をしていないということが、この国のマネーリテラシーの低さを物語っているのではないでしょうか。

次の記事のように、ようやく中学校や高校で金融経済教育が始まるらしいですが、あとどのくらいしたら投資が一般常識となるのでしょうか。

3.国が投資を国民に勧める理由

私は、国が投資を国民に勧める理由は「自分の老後は自分で守れ」というメッセージだと考えています。

ご存じのとおり、日本では少子高齢化が進んでおり、1975年には老人1人を現役世代7.7人で支えていたのが、2025年には現役世代2人で支えなくてはいけないと試算されています。

そのため、このまま年金制度を維持していくためには、次の3つの政策が必要です。

1.保険料を上げる
2.支給開始年齢を上げる
3.支払う年金をカットする

そして、これらの政策は実際にどんどん進められているのです。

年金保険料は毎年少しずつ上がってきています。支給開始年齢は55歳→60歳→65歳と段階的に引き上げられていますし、受給開始年齢を繰り上げ(遅らせ)ることで年金受取額が少しずつ増えるような仕組みも提示されています。また、今までは繰り下げ受給の上限は70歳でしたが、2022年4月1日から上限が75歳に引き上げられました。

同時に国は2013年に「高年齢者雇用安定法」を改定し、定年を60歳から65歳へ引き上げました。現在は経過措置期間となっていますが、2025年4月からは、定年制を採用しているすべての企業で65歳定年制が義務となります。

そこから更に再雇用を促すことで、70歳くらいまでは企業側に高齢者の面倒を見てもらいたいというのが国の意向でしょう。

私にはこうした動きが、「国が今後増えていく高齢者の面倒を見るにはもう限界がある、だから自分で運用をして、老後の自分の面倒は自分で見てくれ」というメッセージに感じられて仕方がないのです。

4.NISA/iDeCoの本を書いてみた

こうした自分の思いをどのように世の中に届ければいいのか。どうすれば世の中のマネーリテラシーを高めていけるのか。

そう考えた時、僕は作家である自分の得意領域で発信をしていくしかないと考え、NISA、iDeCoの電子書籍を書くことを決めました。

もちろん、ただ教科書的に説明をするだけでは金融庁のWEBサイトと何ら変わりませんから、身近な言葉で多くの人に興味を持ってもらい、「投資って難しくないんだ!」と思ってもらう必要があります。

一方で、読後に「楽しかった」、「勉強になった」では終わらず、「ヤバい」、「すぐに行動に移さないと」と思ってもらえるような要素も必要です。

そう考え、今までにはないような会話調のNISA、iDeCoの本を書きあげました。主人公たちの会話を通じて、投資の基礎となる知識を身につけることができるように構成しています。

Kindle Unlimited会員の方は無料でご覧になれます。ぜひ試し読みでプロローグ部分を読んでいただき、本書の雰囲気/世界観を感じてみていただければと思います。

この記事を機会に、投資に関する様々な興味を持っていただければ、これほど嬉しいことはありません。自分の老後のお金は、自分で作り上げていきましょう!

5.参考

今回お話に出させていただいた会話調のNISA、iDeCoの学習本はこちらです。

こうした投資も含めてマネープランニングを行い、FIREまで辿り着いた軌跡はこちらにまとめています。こちらもKindle Unlimited会員の方は無料でご覧になれます。

最後まで読んでくださって、ありがとうございました! これからも楽しみながら書き続けていきます!