聖域とは何か。3月11日に考える『サクリファイス』で描かれた震災後について
3月7日から、新宿シネマカリテなどで、私がプロデューサーとして企画から関わってきた映画『踊ってミタ』が公開となりました。
製作委員会組成など、クラウドファンディング以外の資金調達なども、学生時代を除くと始めて経験し、2年以上掛け、やっとお披露目というタイミングがコロナに直撃されてしまい、あまり大々的に「見に来てください!」とも言いづらいこの状況になんとも言えない気持ちになっています。
本当は今週末から始まるはずだった、『さいたま国際芸術祭』も開幕延期となり、今再延期となる可能性も出てきていて、キュレーターとしてアーティストと2年間進めてきたことがぐるぐる頭を回っています。。。
本当に、アーティストやライブ事業者様、舞台関係者の方々なども含めてみんな大変な状況にあるんだと思います。実際先月開始を宣言した、
「新型コロナウイルスに起因する、イベント中止・延期・代替開催及び、損害を受けた興行場・飲食店・宿泊施設等の支援プログラム」
への反響はかなり大きく、既に開始しているだけでも4件以上のプロジェクトが始まっています。
みんなの力で、新型コロナウイルス被害拡大を抑え、さまざまな活動の火をともし続けたいと思います。
壷井濯監督初長編作品「サクリファイス」
そんな中で同じく3月6日に公開した映画があります。
壷井濯監督初長編作品「サクリファイス」。
長編初監督作のクラウドファンディングで、120万を達成したプロジェクトです。
監督もキャストも若手で固められている、熱量を感じる。そんな作品です。
壷井監督は、立教大学で篠崎誠監督のゼミで映画を教わっていたということですが、今最も若手の実力派映画監督を輩出している立教ラインの持つ映画への強度が本作でも間違いなく滲み出ていました。
実際、先日出たキネ旬の映画評論家の星取表では、悪い意味で話題になっているあの大作映画と比べて大幅に評価を得ています(笑)。
そんな、映画「サクリファイス」について、ミスiD2018受賞し今作『サクリファイス』にて映画デビューされた五味未知子さんと壷井濯監督にお話を聞きました。
今、有る意味では、2011年の雰囲気に近い世情ですが、
あれから9年を経て、今一度震災について問う映画を制作された意図や意義についてなどいろいろお話を伺いました。
結構、普通に考えると、なんでそっちに行くの?っていう話の転換もあったりして、そうした理由を監督に聞いてわかった面白い発見もありました。
そして、五味さんはとても魅力的な方で、とても根っこの芯の強さをインタビューしていて感じ、これからの活躍がとても楽しみだと感じました。
是非映画館に!とは言いづらい状況ですが、多くの方がこの作品から、再度震災についても考える切っ掛けになればと思いました。キャストやスタッフなどのお話を聞いても、当時小学生だったりした人達からの視点も入っている映画。どうしても自分の同世代の被災の感覚で311を語ってしまって来ていましたが、新しく考える切っ掛けにもなりました。
明日は3月11日。あれから9年が経ちます。