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人材をみぬくには

こんにちは、富永朋信です。
日経COMEMOの、このお題について、考えてみました。

https://comemo.nikkei.com/n/n3d29983ca7e1?magazine_key=mb7af516ae320

人を見抜かなければならない状況としてまず思い浮かぶのは採用面接。新卒の面接も中途採用のそれも1時間といった短い時間の中で候補者の適性や強みといったことを見抜かなければなりません。

一方、候補者も抜かりない理論武装をしてくるので、そこは心理戦の様相を呈します。

採用側としては、大きく(1)欲しいスキルを獲得すること(2)言うだけ番長を採らないこと(3)腐ったリンゴ予備軍を間違って採らないことの3点が大事なポイントなのではないかと考えます。

まずは(1)欲しいスキルの獲得、と(2)言うだけ番長を採らないことについて。スキルとは単純に何かを知っている、何かが出来るといった事ではなく、そういった事の背後にある総合的な力や才能のことであり、言語的な定義がしにくく、見えにくいものです。

言うだけ番長とは、職場でも時折みかける、大言壮語は得意なもののアクションがカラキシついてこない人のことで、要らぬ船頭となりチームワークを乱したり仕事のスピードを減じたりしがち。

さて、面接の場で主題となりがちなのは候補者の実績です。しかしこれを聞いただけでは、スキルを反映した結果なのか、他人の指示を聞いただけなのか、あるいはチームの他の人の実績をさも自分のもののように吹いているだけか、分かりません。

そこで私は(a)どのように考え、行動した結果その実績が得られたのか(b)結果を出す中で、苦労したことは何か、特に対人的な苦労は何か ということを聞くようにしています。

実績を語る雄弁さと比べて、これらの熱量やリアリティに差があったら危険信号だし、行動の背後にある考え、意図がしっかりしていないと再現性がない、と判断する訳です。

この時、候補者の状況を想像し、感情移入し、具体的なプロセスや苦労をシミュレーションしながら話を聞くとより効果的かと思います。

また、これは中途向きのやり方ですが、入社後担当業務遂行に必要なスキルの本質を自分の言葉で語ってもらう、というのも効果的だと考えます。筆者の専門であるマーケティングの分野ならインサイトとは何か、ブランドとは何か、と言った質問です。

この種の問いに対する回答は(A)不勉強でポイントの外れたもの(B)教科書通りのもの(C)教科書的な理解を押さえた上で、自分の型を持った人のもの、と大別され、(A)は論外であり、(B)は及第であり、(C)は守破離を経た人財として有力な採用候補と判断します。

次に(2)リンゴ予備軍を間違って採らないこと、という点について。腐ったリンゴとはネガティブな空気を撒き散らしたり、意図的な不作為により組織の風土を壊す人のこと。組織にそんな人はいない方が良い訳ですが、こういう人も面接では周到な準備とともに快活に振る舞ったりするので、それを見抜くことが必要になります。

こういう人は概して、他者からの働きかけに過度に防御的であったり、話を盛ったりする傾向があります。ので、筆者はそこを切り崩す質問として、よく「この面接が始まってから、私に何回ウソをつきましたか」と尋ねます。

この問いに対する防御反応を見たり、素知らぬ顔で答えた「ウソなんか言ってません」という回答に対して、上記の「意図と行動の関連を聞く質問」や「苦労話を聞く質問」で感じた不自然さを問いただすと、準備した予備軍氏といえども結構ボロを出します。

以上が#人材を見抜くには、というお題に対して私が思いついた回答です。読者各位のお役に立てば幸せです。


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