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幸福と生産性に関する「統一理論」


この20年、心理学の究極の目的である「幸福」と経営学の究極の目的である「生産性」の科学において革命が起きています。意外に知られていない人類のこの飛躍を紹介したいと思います。

そもそも科学が目指すのは、できるだけ広範囲に渡る重要なことを、客観的に計測可能で、しかもできるだけ少ない要因で理解できるようにすることです。

この意味で、心理学の究極の目的は、「幸せ」の理解です。「幸せ」の本質となっていて、しかも客観的に計測可能な要因を明らかにすることです。経営学の究極の目的は、「生産性」や「業績」の本質となっていて、しかも客観的に計測可能な要因を明らかにすることです。

今世紀の初めまで、心理学と経営学とは、全く異なる学問で、相互の交流は限られていました。ところが、今世紀の初め頃に、両者を融合する動きが生まれました。

その一つが、信頼できる関係を表す「心の安全性」(Psychological Safety)という概念が生まれたことです。さらにこの直後に、前向きな心を表す「心の資本」(Psychological Capital)という概念が生まれたことです。

この両者は、最初から幸せと生産性を統合する意図がありましたが、これらの概念が提供された当初はどちらも仮説に過ぎませんでした。しかし、この約20年の間に、両理論はデータで検証されました。これはいわば「幸せ」と「生産性」の科学の融合です。これは専門用語を使わずに表現すると「前向きな心」で「信頼できる関係」を持つことで、「幸せ」と「生産性」の両方が実現できる、ということです。

この「幸福」と「生産性」に関する「統一理論」を使って、企業も組織も変わる時期に来ています。理論はいよいよ出来ました。これからは実践です。

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