ワークショップにアクセシビリティを実装する
視覚障害のある方や聴覚障害のある方であっても問題なく情報がとどくようにするために、アクセシビリティという言葉があります。
演劇や美術など、アートの領域でもさまざまな障害のある方に鑑賞・創作の体験へのアクセシビリティを保障する取り組みが注目を集めています。
このようなアクセシビリティを、創作や対話のワークショップにも実装する手法を探究するスクール事業「Theatre For ALLファシリテータースクール」を3月から開催し、6月でいったん終了となりました。
約20名のファシリテーターのみなさんに、アクセシビリティを実装したワークショップを体験していただき、今度は自分たちでつくって実践してみる、という経験を通じた学習プログラムでした。手話通訳やUDトーク、代替テキストなどさまざまな手法を駆使してアクセシビリティを実装したほか、「対話」「アート鑑賞」といったさまざまな経験それ自体がもつハードルの解消に踏み込んだ企画が生み出されました。
*注:こちらのワークショップはすでに終了しております。
これらの実践を経て、「ワークショップにおけるアクセシビリティとは、一つの正解があるものではない」と受講生の方がおっしゃっていました。
喩えるなら、噺家が芸を鍛錬するように、ファシリテーターもまたアクセシビリティを備えた身体知を鍛錬していく必要があるのだろうと感じます。具体的には、UDトークや手話通訳者の方が対応しやすい場や、視覚障害のある方がイメージしやすい場のつくりかたなどです。
Theatre For ALLでは、アクセシビリティが実装された作品が公開されたり、ワークショップが実施されたりすることは当たり前になっています。しかし、この場所だけでなく社会全体が新しい当たり前を生み出していくためには、アクセシビリティの身体知を鍛錬する場所が、まだまだ圧倒的に足りないのだと感じます。
Theatre For ALLでは子どもも大人も参加できるワークショップがたくさん開催されています。ぜひお気軽にご参加いただき、アクセシビリティ×ワークショップの可能性を体験しにきてください。