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縛られたくないから、賃貸を選ぶ。 #それでも家を買いますか?

私は、妻と12歳の娘と10歳の息子と4人で暮らしていて、賃貸住宅を選択しています。

これまで、何度か家を買うべきか、妻と話し合ってきましたが、以下の3つの観点で検討して、賃貸と結論付けています。

① 収入の変動に耐えられるように

24歳で起業をして、晴天の日もあれば土砂降りの日もあって、人生は常に順風満帆ではいられないことを身に染みて理解しました。

そして、残念ながら無尽蔵にお金を持っているわけでもないので、収入が変動した際には、その変化に合わせて生きなければなりません

大学時代には、軽い気持ちで何度も引っ越しをしました。数えてみると、7回も引っ越しています。その中で一度、月2万円、風呂なしでトイレ共同、4畳半一間というアパートに住んだことがあります。全く快適ではありませんが、絶望するほどでもなかったです。

余裕のある時は背伸びをしても良いですし、厳しい時には身をかがめれば良いだけの話です。

住宅を購入してしまうと、軽やかに変化へ対応することは難しくなります

② 人生の変化に適応できるように

前回、引っ越しをしたのは、娘が小学校に上がる直前の3月31日でした。

その当時に住んでいたマンションは、都会では珍しく子どもたちが伸び伸びと走り回れる中庭があったり、住人の夏祭りがあったり、とても恵まれた環境でした。

それでも、共働きの中で、娘が小学生になった生活を想定すると、もっと働いている会社に近い場所でないと、生活が成り立たないことが見えてきたため、引っ越しを決めました。

もともと、状況に応じて動くという方針だったので、難なく決断できました。これからも、子ども達は進学したり、巣立っていくので、住む場所や大きさを最適化していきたいです。

③ 合わない人から逃げられるように

実際に困った経験があるわけでもないので、これは杞憂かもしれないですが、世の中には話し合っても分かり合えない価値感で生きている方々がいらっしゃるようです。メディアには、ご近所とのトラブル情報があふれています。

自分だけならまだしも、家族が理不尽な思いをするぐらいなら、逃げ出した方が良いので、身軽に移動できるようにしておきたいのです。

定住すること、移り住むこと

年配の方が、「家を買うのは当前のこと」という常識を持ち出されることがあります。

しかし、現代でも、定住を当然視しない人は、世界中に沢山います。また、大局に立てば、サルが木から降りてから600万年の間の中で、農業が始まる1万2千年以前の長期間にわたり、我々は狩猟採集民としてより良い狩場を求めて移動する遊牧生活を行ってきました。人類の長い歴史の中では、定住することが例外であり、珍しいことなのです。

この先ずっと人口が増えていくと想定され、誰もが住む場所を奪い合って暮らした方々の常識に従う必要はなく、現在の各自の状況や価値観に応じて、最適解を導き出せば良いはずです。

賃貸の問題点

今までのところ、賃貸の選択は総合的には良かったと判断をしているのですが、同時に3つの問題も感じています。

① カスタマイズができないこと

いまのキッチンは、我々夫婦には高さが足りなくて、少しかがんで調理をしないといけない瞬間があります。

購入した住居であれば、自分達の特性に合わせられるはずです。借り物の場所では、どうしても我慢をしないといけない点が出てくるなと感じています。

② 老後に借りられなくなるリスクがあること

数十年後の未来は読み切れませんが、老人に部屋を貸すのを嫌がる家主がいるという報道を見かけることがあります。

リスクを回避する手段として、老後に住まいを購入できるだけのお金を貯めないといけません

ただし、人口減少というメガトレンドが進行しており、住居は余っていくはずなので、贅沢を言わなければ、多少の余剰資金で対応できると想定しています。

③ マンション価格が急上昇していること

現在の住まいは丸6年目になりますが、とても暮らしやすく、ご近所の皆さんとの付き合いもあり、もっと長く住みたいと感じています。

最近、同マンション内で出てくる売物件を見ていると、以前と比べて、大きく値上がりをしています。将来的には、賃貸価格の上昇につながりかねません。

そんな心配をしている中で、米国では「借りる」と「買う」の中間の、新たな暮らしのかたちを提案するサービスが誕生しています。

Rohve 借主がオーナーになる (英語)

これは、賃貸で住んでいる住居の一部を所有できるようにするサービスです。家賃の一部によって、自分が住んでいる家の所有権を部分的にもらえる仕組みが構築されています。

日本でも、賃貸でも購入でもない、良いとこどりした新たな選択肢が増えてくると嬉しいです。

正解は人それぞれ

賃貸を選択しているのは、あくまで個人的な状況と、自分たちが重視する観点での結論です。

3世帯で暮らす人もいれば、ずっと一人暮らしの人もいるでしょう。安定した職業の方もいれば、変化の激しい職業の方もいらっしゃるでしょう。

状況も、何を重視するかも、人それぞれ違うのだから、最適解が異なってくるのは必然です。

世間体や常識に縛られず、自分で納得のできる選択を行い、その結果から学んでいって、修正を繰り返しながら人生を楽しむのがベストアンサーだと思っています。

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遠藤 直紀(ビービット 代表)
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