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「言わずもがな」をあえて書く ー組織の知識を貯めるポイント

組織・チームの力を発揮するうえで、「ナレッジ・マネジメント」の方法に注目している人は昔も今も多いのではないでしょうか。

花王の沢田会長と、一橋大学の野中氏の対談でも、社員の『暗黙知』を組織の力に変えていく重要性が指摘されています。

ここでの知識とは、必ずしも高度な専門知識のみをさすわけではないでしょう。コミュニケーションの小さなわざや、デザインにおける素朴なコツなども、言語化されていない「暗黙知」として扱うことができます。

しかし、こうした組織や社会のなかで分かち合われるべき素朴な知恵は、個人のなかに暗黙のまま閉ざされていることがあります。その多くが閉ざされている背景では、その知識を持っている人が「こんなこと言わずもがなだよな…」と思い込んでいるのかもしれません。

自分にとって、仕事やコミュニケーションを円滑にするうえで、当たり前のようにやっていることが、他人にとっては非常に貴重な知恵になることがあります。そのような「当たり前」「言わずもがな」な事象を、あえて書いてみることで、チームやコミュニティのなかで知識がめぐり、活動を活性化させていくことができます

たとえば、ぼくはワークショップデザインを仕事にしています。そのなかで、アイスブレイクの際に、そのワークショップのテーマについて思い出すような問いを投げかけるのは常套手段として行っていました。

例えば、料理のワークショップで、「普段どうやって料理してますか?」と問いかけるようなことです。こうして日常の経験を内省してもらうことで、「今日のワークショップのテーマとあなたの経験はつながっているんですよ」と参加者にメッセージすることができます。

こうした設計方法はぼくにとってはあまりに当たり前だったのですが、この話を「わざわざいうようなことではないけど…」と人に伝えてみました。すると「そんな知識があったんですね!」と驚かれたのです。

そこで驚かれた内容をnoteにまとめてみました。すると105回いいねがつく、多く読まれた記事になりました。

こうして、言わなくてもわかるだろう、と本人が思っていることを書いてみると、意外な人に喜ばれることがあります。個人の当たり前のなかに大切な知識が眠っていることがあると思います。

みなさんもぜひ、胸に手を当てて「自分が当たり前にやっている仕事や生活のコツ・技・知識はなんだろう?」と考えてみてください。そして思い当たるものがあれば、ぜひ書き出してみてください。

#日経COMEMO #NIKKEI

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