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「she is」から「me and you」へ

我々MOTION GALLERYがお送りしているPODCAST番組『MOTION GALLERY CROSSING』の先月7月の特集は『すべての創作は生活からはじまる!』と題して、「me and you」の竹中万季さんと野村由芽さんをゲストにお迎えしてお送りしました。

「me and you」のお二人といえば、「自分らしく生きる女性を祝福するライフ&カルチャーコミュニティ」をタグラインに、女性をとりまくカルチャーや思想を伝えるウェブマガジン「she is」のお話は欠かせないでしょう。

実は自分が関わった映画のキャストやクリエイターの方々が、「she is」の”ガールフレンド”だったりすることも多く、そのクリエイターコミュニティにとても興味を持っていました。と同時に、広告にビジネスモデルが依存してしまうことで起きうるいろいろな問題から解放されるべく、メディアの新しいマネタイズモデルに果敢に挑戦していたこともとても興味深く、明らかにターゲットユーザーではないけれどもウオッチしていました。

そんなお二人が新たに立ち上げる「me and you」。
ここから何が生まれようとしているのか、是非お話を聞きたい!フェミニズムのお話やシスターフッド的連帯についても聞きたいことがたくさんあるということで4週に渡ってお話をお伺いしました。

初回は、パーソナリティ武田さんとゲストの竹中さんと野村さんは旧知の仲、そしてパーソナリティ長井さんとゲストお二人は著書やこれまでの活動を通して”会ってみたかった仲”というこで、互いの活動についての感想をシェアする和やかなムードで特集はスタート。

まずは、お二人について知る上で欠かせない、かつてのコミュニティ「she is」は、自分たちの居心地の良い場所・拠り所となれる場所を同じように必要としている人がいるはず、という想いから始まったことや、それは今の社会を生きるなかでの違和感を”しょうがない”と飲み込まざるをえない辛さがある、という現実に触れながら、その、ひとりひとりの存在を肯定し合うための一方的ではない”一緒につくっていく”というメディアの姿勢や、思い出深い特集やギフトについて振り返りながらお話しいただき、それを引き継ぐ「me and you」という場所への期待が高まるトークとなりました!

#055「she is」からはじまる「me and you」のこと

2週目は、竹中さんと野村さんが立ち上げた会社であり新しい場所「me and you」について、揺らぎも含めたその過程までニュースレター(お手紙)で届けて共有するそのスタンスや、一人で決めるのではなく何事も相談しながら仕事を分担していること、誰かと一緒に働くこととバンドの音楽性との意外な関連性など?!、「me and you」とその受け取り側との距離感、そしてバディのように共に仕事を進めるお二人の距離感についてお話しいただきました!

#056「迷いや揺らぎも共有していく。手紙からはじまる私たちのこと。」

3週目は、竹中さんと野村さんに、”生活”と”創作”がリンクするような、最近気になっている本についてのお話に。

野村さんからは「これがあったらなんでも作れる、勇敢な気持ちになる」という、『工作図鑑』(福音館書店)をご紹介。子ども向けの工作のレシピ集なのですが、シンプルなスキル・手掛かりを知ることは、オブジェクトを見れば作られ方を想像できるようになることであり、自分はこれをつくれるかもしれないという希望がふくらむこと、というお話に、世界を豊かにするヒントをいただきました。
そして竹中さんからは、33年に渡ってロンドンで出版され続けている『Redstone Diary』をご紹介。その年のテーマに沿ってキュレーションされた作品が週替わりで掲載されているもので、シンプルな日記としてはもちろん、作品をコラージュしたり、何も書かない日でも”そこに作品は存在する”ことが支えになるなど、日々変わる作品との関係性も楽しめるクリエイティビティ溢れる日記帳です。

さらにはそこから派生して、ゲスト&パーソナリティの日記の話に。続く・続かない問題、日記帳とiPhoneの併用、モーニングページなる手法など様々ですが、「書かなければ思い出せないこと、無かったことにしたくない」「未来への伏線」「自分だけに書くことの大切さ」「吐き出す」など、書いて外在化することの意味を再認識するトークとなりました。

#057「 工作図鑑と日記。日常が教えてくれる自分のこと。」

そして特集最終回!女性同士の連携から生まれるアクションやムーブメントから感じること、誠実さを保ちながら働いて稼ぐことの難しさなど、その真っ只中にいるゲストお二人の真摯な言葉が響くトークとなりました。

二人が「she is」の構想を話し始めた2016年は、決められた属性ありきでつくられた女性向けのwebメディアが多く、サイトのカラーをターコイズブルーとすることもいわば異例だった頃。そこから、「#MeToo」や「#Ku Too」など、フェミニズムやシスターフッドの風潮が広まる良さを感じつつも、それがスローガンだけになっていないか、個人が取り残されていないかなど見つめていきたいというお話に。そしてその広まりに大きく影響するSNSの活用について「意味のないことを呟きたい」に全員同意の場面も。番組でゲストのみなさんにお聞きしている、クリエイティビティとお金のトピックでは、一緒にプロジェクトをつくりあげるメンバーとのフラットな関係性や、自分たちの思想に合った稼ぎ方など、違和感をひとつのセンサーとして社会と仕事を見つめるお二人の真摯な姿勢がとても素敵でした。

#058「SNSとフェミニズム。働き方と違和感。」

今様々なシーンで、フェミニズムへの言及であったり、イコーリティーへのアクションが話題になるようなっています。

明治政府誕生以降から急激に男女の役割のお仕着せや制度化が始まった日本において、今叫ばれる昭和的価値観からの脱却ではなく、明治から続いているものから離脱しなくては行けないのではと思う事が最近多いのですが、そういう観点からも、シスターフッドやフェミニズムに関連する取り組みのフロントランナーとも言える「me and you」のお二人の現在地にとても興味が有ったのだが、「個人が取り残されていないかなど見つめていきたい」という言葉にハッとさせられた時間でした。





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大高健志@MOTION GALLERY
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