日本に先駆けて「結婚滅亡」に突き進む中国「婚難の時代」
中国の少子化が止まらない。
年間1062万人も産まれているのか、と思うかもしれないが、人口が日本の11倍くらいあるので、実際80万人台の出生数になって「少子化ヤバい」といわれている日本と人口比ではほぼ同等のレベルということです。
中国の人口問題に詳しい米ウィスコンシン大学の易富賢研究員によると、1人の女性が生涯に産む子供の数を示す「合計特殊出生率」は21年に1.1~1.2とみられ、日本を下回る。
と書いてあるのだが、一応世界銀行の統計によれば、中国の合計特殊出生率は2019年まで、1.6-1.7あたりで安定推移していたはずなのに、2020年は1.3に下がったという報道もある。そんな急激に下がるものなの?
どう考えても、今までの数字が改ざんだったとしか思えない。妙に折れ線グラフがなめらかすぎるし。
どうやら、中国の出生率などの数字は、一度中国統計局が発表した後、修正されるのが常らしい。修正なのか捏造なのか知りませんが…。
いずれにせよ、国際的に公式に発表されている数字より中国の少子化の現実は厳しいものといえるだろう。
「一人っ子政策」のせいだとお考えになる人もたくさんいるでしょうが、問題はそこではなく、日本の問題同様「非婚化」にあります。実際、「一人っ子政策」期間中でも、第2子、第3子を産んでいた夫婦はいます。罰金払ってでも産みたい人は産みます。逆にいえば、「金払うから3人産め」と言われたところで産みたくない人は産まないのです。フランスの出生率がダダ下がりなのも、そういうことです。
そして、それ以上に、中国ではそもそも結婚することが難しくなっており、同時に「結婚する必要性を感じなくなっている」人たちもいます。それは日本で起きていることと同じです。
中国では、婚姻数も大幅減少しているが、それ以上に離婚の増加が凄まじい。2組に1組は離婚している。結婚が作られず壊される、まさに「結婚滅亡」状態に突入しているのです。
そうしたことをまとめた記事をこちらに書きましたのでご一読ください。
2017年1月に拙著「超ソロ社会」を上梓した時、その年の6月に公益財団フォーリンプレスセンターで、海外メディア向けの講演をしたことがあります。その取材記事が最も多数掲載されたのが中国メディアでした。
当時は「なぜ?」と不思議に思っていたが、なるほど中国にとっては他人事ではなかったようです。講演では「世界に先駆けて日本はソロ社会になる」などとお話したのだが、むしろ中国が日本を追い抜く勢いである。
何度か話題にしている日本の「未婚の男余り」現象ですが、日本が300万人の男余りなのに対して、人口10倍以上の中国では3394万人の「男余り」です。一都三県全体の人口ごっそり未婚の男だらけ並みの規模です。下手な国の総人口より多い。
中国の離婚に関しては、2021年より離婚のクーリングオフ制度が導入され、前年比大幅減の推移できているらしい。さて、今後どうなりますか。
というわけで、中国でも拙著「超ソロ社会」翻訳本が出版されることになりました!中国の余っている未婚男性3394万人の方買ってもらったらすごいヒットになりますw
あとは、婚難中国が「恋と嘘」みたいなことを本当に始めるかどうかが注目です。
ちなみに、「恋と嘘」を知らない方のために、簡単にどういう設定の物語かといいうと、未来の日本のお話で、少子化対策のために、日本国民は16歳になると、政府から結婚相手が指名される世の中になっていた、というもの。要するに、強制結婚社会のお話です。
長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。